表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

とりあえず大変かもしれません

 ここはどこだ。そしてどうしてこうなった。


 ガンガンと痛む頭は、今の状況が紛れもない現実だと大げさなほどに主張を繰り返し、花音は嫌でも現実を直視する羽目になった。

「私…」

 廊下を走る2人組を見た。関わり合いになりたくなくて背を向けたのも覚えている。そしてそこから、地面の感触が無くなって…。

「あ…階段落ちたんだっけ?」

 そうだった。頭痛はその時にぶつけたものだろう。納得。では。


 Q.何故頭上に青空が見えているのでしょう?

 A.此処が明らかに外だからです。


「………」

 現実逃避終了。


「何処だ此処ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?!?」



 殿吹花音は混乱の絶頂にあった。

 志望校のオープンキャンパスに来て早々変な少年と目が合ったかと思いきや、よく分からない赤い髪の青年を見つけ、挙句の果てには階段から足を滑らせた。さらに目を覚ませば眼前に広がるのは鮮やかな青色の空。これで混乱するなという方が無理である。


「ど…どうしたらいいんだろ…」

 頭を振って起き上がり、花音は泣きそうな表情のまま自分の姿を確認した。

 泥や枯葉がついてちょっとボロボロになった制服。

 足元は桜宮学院の校章が入ったスリッパ。

 肩にかけていたトートバックは汚れているが中身は無事。


「とりあえず…携帯、繋がるかな…」

 ポケットから携帯を取り出し開くが――――圏外。

「ですよね!」

 分かり切ったことだった。


 ガササッ


「!?」

 ビクッと肩を揺らす花音。此処は見渡す限り森林だ、何が出てきても可笑しくない。


 ガサッ

 ガササッ


 音は少しずつ近づいてくる。かなり大きい。

「ひいぃ…!」


 ガサリ

 ガサリ



 …………ガサッ

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ