1/5
プロローグ
ファンタジーや魔法ものは初めてなので、頑張っていきたいと思います。
魔法と言いながらあまり魔法は出てこないです。
この学園にも、入学式の季節がやってきたよ。
若い女は軽い口調でそう言った。
何も考えていなさそうな女に対して、不満そうに鼻を鳴らすのは若い男だ。
その前に、生徒が手荒い試験をするだろう。
男の呟いた台詞に、女は嗤う。
何も考えていないのはそっちだと。
浅薄な考えをしているのはお前だと。
こちらを見もせず言外に告げてくる女に、男はやはり不満そうに顔をしかめる。言い返さないのは、女に口では勝てないと知っているからだ。
女が立ち上がる。その美しい顔に曖昧な笑みを刻んで、彼女は歩を進めた。
精々頑張れ見習い生。我が校の試験は難しいぞ?
女と男が微かに呟く。
男の手には、1冊のバインダーが握られていた。