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一寸  作者: 馬財 令子
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6

いいの?

怖くないの?

恥ずかしくない?

だって、こんな私を生きるのがどれだけ辛いかわかるの。


優しいね。優しい子。

でも、自分のことをそんな風にしか見れなくなってしまったのね。

可哀想に。可哀想な子。


………

私も本当は明るくなりたかったわ。

心のそこから生を楽しめるような。

でも、だめなの。何もかも。

呪われてるわ。



そうね。確かに呪われているのかもしれないわね。

それがどんな呪いか自分ではわかっているのかしら?



どんな呪いか…

わからない。でも、けして幸せになれることがないということよ。

なにもかも、こう、絡まっているかんじ。



今のあなたではきっとその呪いとやらを祓うこともできないわね。

だってあなたには今闘志がないんですもの。


闘志?そんなものないです。

戦ってもむだ。

努力しても無駄。

私はなにも実をつけられない。


あなたはそう思っているのね?

やはりあなたは中身も伴わないクズに成り果てたようね。


………

………


言い返せないのでしょ?

その通りだから。

引っ込んでおきなさい。

無理だって決めつけたあなたにはたどり着けないところに私はいくわ。


…………

好きにすればいいわ。

私はもう、戦うことをやめた。

諦めたの。

もう、自分には期待しないの。



そう。なら死んでしまえばいいじゃない。

そんな状態でなぜのうのうと生きていられるのよ?

死んでしまいなさい。


………



自分で自決す覚悟も勇気も責任もないくせして。

愚の骨頂。


………

うるさい。うるさいよ!

何がわかるのさ。人様は勝手に口で言うだけ。

結局私のことなんてなんにもこれっぽっちもわからない。

うるさいんだよ!邪魔なんだよ!関わってくるなよ!



ええ。わかっているわね。

あなたも他の人のことなんて、なにも考えていないでしょ?

そうよ。

なにを惑わされているのよ。

あなたも他者なんてどうでもいい存在と思っているでしょ?

そうよ。



………



優しい女の子。

聖女様にでもなりたかったわけ?



………



はっ、笑えるね。

こんな汚い心の聖女様がいるもんですか。


………っく


どうたい。

私と取引をしようじゃないか。



は?取引?



そのお前の人生をもうここで捨てちまうのさ。

そうしたらお前はもう苦しむこともないだろう?

死にたかったんだろ?

いきたくなかったんだろ?



捨てる…。




どうだい?もう苦しまなくていいんだ。無の世界を生きていられるよ?

お前さんはもう、いなくていいんだ。



いなくていい。

いなくていいの?



あぁ、そうだ。

どうする?

さあ。捨てちまうかい?



捨てたらどうなるの?




お前さんほ楽にいられる。

さあ。どうする?



楽になれる?

……

……

……







わかった。

いいよ、もう捨ててしまうよ。




ふふふ。いいね。

それじゃあ、お眠りな、お姫様。

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