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一寸  作者: 馬財 令子
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1

せめて私は違う人でありたかったな。

貧乏でいい。

親がいなくてもいい。

誰もいない。

一人ぼっちでよかったな。

そうしたら、一から自分でスタートできるんじゃないかな。

不公平。

私はそのほうがスタート地点に立てる資格があると思うんだ。

私はだめなんだって。

そうか。

そうか。

だめなんだ。

私は別に成功したいわけじゃない。

他の人とおなじように、頑張って、何かをしてみたい。

目指してみたいのに。

その機会すら私には手にはいらない。

いいな。

自由で。

みんなかっこいいね。羨ましいよ。あこがれるよ。

私はごめんね。

彼らと同じところにすら届かない。

ごめんね。ごめんね。

引っ張ってあげれなかったね。ごめんなさい。

ごめんね。


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