表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

第十二話

チビルが仲間になった。次の日  

士郎と河野は経丸の部屋の前で

「絶対に行かないって、ザリガニ釣りなんて、あんなの少年がやる事だろ。それがし達大人だぜ」

「いや、ザリガニ釣りに大人も子供もないですよ。面白いから絶対に経丸さんも喜んできますよ」

「絶対に来ないと思うけどな。来るか来ないか賭けるか?」 「何を賭けるんですか?」 「五百円賭けようか」

「いいですよ、やったぁーこれで今日のお昼は皆にご馳走できるぞ」 「いや、五百円じゃ自分の分も足らんだろ。定食だって一食八百円するんだから」 「あっ!確かに、まぁいいや。この駆け僕の勝ちですね」

「そこまで言うなら聞くぞ」  

士郎と河野は経丸の部屋に入り  河野は経丸に向かって身を乗り出すようにキスするのかってくらい凄く顔を近づけて

「経丸さん、皆でザリガニ釣りに行きませんか‼」  

経丸はあまりの顔の近さに驚く 。

士郎は少し怒りが含んだ声で

「おい、顔が近いぞ‼」  

河野はキョトンとした顔で

「えっ?近かったですか?」  

経丸は思わず笑う。

「ザリガニ釣りですか?子供の時以来ですね。いいですね。久し振りに行きますか‼」 「えっ?えっ?えええええええええええー‼ザリガニ釣りやるんですか‼」  驚く士郎に対して河野は指を口に当てて

「士郎さん、少しうるさいです」

「確かにうるさかったが、お前に言われるのは何か癪に障るなぁ」

「河野さん、どこで釣るんですか?」

「待て、待て何で経丸さん乗り気なの?」  

経丸は笑顔で

「だって、皆でザリガニ釣りって楽しそうじゃないですか?」  

経丸の笑顔で士郎はズキューンと胸を撃たれ

(経丸さんが楽しそうって言うなら五百円は安すぎるな)  

士郎は河野の手に千円置いて

「やりましょう。今すぐ皆を呼んで来ます」

「士郎さん、態度変わり過ぎじゃないですか?さっき・・・」  士郎は慌てて河野の口を封じて

「余計な事言うな。ザリガニ釣り皆でやるぞ」

「はい、わかりました」

「後、お釣りです」

「いらん、取っておけ」

「えっ?えっ?あのドケチで有名な士郎さんが」

「バカ、太っ腹の士郎って広めておけ」

「わかりました」  

河野はめちゃくちゃ大きい声で

「太っ腹の士郎さんから千円頂きました‼」  

士郎は慌てて

「バカ!よせ恥ずかしいだろ」  

士郎さんが広めろって

「千円で太っ腹はめちゃくちゃ恥ずかしいから金額を言わずに太っ腹の士郎って広めてくれ」

「わかりました」  

河野はめちゃくちゃ大きな声で

「士郎さんから少し多めにお金頂きました‼」  

士郎は慌てて

「やめろ!やめろ!少しとかいらないんだよ。今回の場合は士郎さんから二倍のお金をいただきました。って言わないと」

「ホ?ホケキョ?」

「ほぉう~わざとだったか!ぶっ飛ばすぞ‼」  

河野は一瞬考えてから慌てて

「わざとじゃないです!わざとじゃないです!」

「何か、変な間があったぞ‼わざとだろ‼」  

経丸が

「士郎さん、士郎さんがケチじゃなくて太っ腹って事わかりましたから」  

士郎は笑顔で

「そう!経丸さんにわかってもらえたならいいや‼」  

経丸は苦笑いを浮かべながら

「はい」  

士郎は片倉と凛を経丸の部屋に連れて行き

「経丸さん、チビルが見つからなかったわ」

「士郎、俺もういるよ」

「いつの間に⁉」

「俺、耳いいからさっきのお前の会話納屋の近くにいても聞こえていたし」 「納屋ってここから五十メートルはあるぞ!それと聞こえてから来るのも早くないか?」  チビルは淡々と

「まぁ、耳と足だけは自信あるかな」  

士郎はチビルの背中を叩きながら

「なんだよお前!才能あって良かったじゃん‼」  

チビルは首をかしげながら

「これは才能なのか?」

「才能だよ!自信のあるものは何だって才能だから」  

チビルはイマイチ腑に落ちない感じで

「そうなのか?」  

士郎はチビルの背中を叩いて

「そうだ!だから自信持て‼」  

経丸が

「じゃあ、皆揃ったから行きましょうか?」  

天羽家の皆は城を出て川沿いを歩ていると片倉は木の橋の端にある地覆を歩いている経丸に優しい口調で

「若、そんなところ歩いていると危なくないですか?」  

経丸は笑顔で

「大丈夫ですよ。片倉さん」  

と言って片足ケンケンをし始める。  

士郎は経丸に

「経丸さんって意外とお転婆?」

「なんか、普通に歩くよりこういうところ歩いた方が楽しくないですか?」 「まぁ、わからなくもないですが落ちたらシャレにならないですよ」

「落ちないですから大丈夫ですよ」  

河野が

「ホントだ!なんかこの上歩いてると楽しい」

「お前はアホだから落ちるから今すぐやめな‼」 「兄貴、流石に河野さんに失礼過ぎるよ」

「失礼じゃない‼凛、こいつは凛が思っている三倍はアホなんだから」 「それは嘘‼兄貴よりアホな人なんてこの日ノ本に存在しないからね‼」

「何だと‼」  

自分の事を話されているのに二人の会話を全く聞かずケンケンしていた河野は二人の雰囲気を見ていきなり大声で

「兄妹喧嘩はやめてください‼仲良くしましょう!仲良くしましょう」 「いきなり大きい声出すな‼ビックリするだろ‼」

「すみません」

 素直に謝る河野に凛は

「河野さん、怒った方がいいですよ!アホって言ってるんですよ‼」  河野はキョトンとした顔で

「誰が誰にアホって言ってんですか?」

河野の言葉に士郎は呆れながら

「それがしが、お前にだよ!」  

しばらく間が空いてから大声で

「えっ、もしかして僕の事アホって言ってんですか‼」  士郎は呆れた感じで 「そうだって言ってんじゃん」  

河野はゆっくりした口調で

「僕はアホじゃないですよ、僕はアホじゃないですよ」  

と士郎に訴える。  

士郎と河野のやり取りを経丸、片倉、凛、稲荷は笑って見ている。  士郎は呆れた感じで  

「反応遅いし、同じ言葉を繰り返すな」

 河野は全く悪気ない感じで

「だって士郎さんじゃ、一回じゃ理解できないと思って」  経丸、片倉、凛、稲荷は思わず爆笑する。士郎も思わず笑ってしまいながらも河野に詰め寄り 「てめぇ、まさかそれがしの事アホだと思ってるのか?」

「ホ?ホケキョ?」  

士郎は河野にヘッドロックをかましながら

「お前、それがしの事アホだと思ってんだな‼」  

河野は一瞬考えてから慌てて

「思ってないです!思ってないです‼士郎さんは僕より少しアホなだけですもんね‼」 「それがしがお前よりアホな訳ないだろ」

「ホ?ホケキョ?」

「てめぇ」  

士郎は更に強く河野の首を絞めようとするが凛が士郎を河野から剥がして 「やめなさい!兄貴が全部悪いんだから‼」

「だって、こいつがアホなのに・・・」  

地覆を歩いていた経丸が一瞬バランスを崩す。それを見ていた士郎は  (あっ!バランスを崩した‼)  

士郎は慌てて勢いよく経丸に手を差し出す。  

いきなり手を差し出された経丸は驚き、咄嗟の反射でよけると  避けられると思っていなかった士郎は驚き、バランスを崩し地覆に足を引っかけて 「あっ!」  と叫び川に落ちた。  

士郎が落ちる姿も見た皆は驚き

「あっ!兄貴‼」

「士郎君‼」

「士郎さん‼」

「士郎‼」  

と言う中、経丸一人だけは躊躇なく川に飛び込んでおり  ヤバい!溺れる‼  パニックになっている士郎を速やかに抱え

「士郎さん、落ち着いて‼もう大丈夫ですから‼」  

士郎は経丸の言葉に安心し、身を任せた。経丸は士郎を抱えて岸まで行った。経丸は岸に着くと

「士郎さん、怪我はないですか?」

 士郎は力ない声で

「助けてくれてありがとうございます。体に怪我はないですよ」  経丸は安堵の表情で 「それならよかったです」  

士郎は暗い表情で

「しかし、心に深い傷を負いました」

「川に落ちた事がトラウマになったんですか?」

「違います。経丸さんがバランスを崩したから手を差し出したら避けられたからそれが凄いショックで」

「それがしは拒絶されてたんですね」

「違います。急に手が出て来たので、落とされるのかなっと思って」  士郎は経丸の言葉を聞いて更に落ち込みながら

「それがしの事、人をいきなり川に落とす酷い奴だと思ってたんですね」 「いや、冗談で川に落としてくるのかなぁと思って」

「いや、冗談好きなそれがしでも経丸様を川に突き落とすことなぞ絶対にしませんよ‼」

「それならよかったです。士郎さんが冗談でも人を川に落とさないって事がわかったので」  

士郎が何か言おうとするのを片倉は士郎の口を抑えて 「やめとけ、若は悪気がないんだ。これ以上言っても士郎君が傷つくだけさ」  

士郎は濡れた寒さと心の傷で身体を震わせながら

「そうですね、だいぶ傷つきました」  

片倉は士郎の肩を優しくポンと叩いて

「今日の夜、カツオの刺身定食食べ行こうぜ」

「ありがとうございます」  

士郎達は河野に案内された釣り場に着き  皆、ザリガニ釣りを始める。  しばらくすると士郎が

「経丸さん、見てください。それがしもう五匹も釣りました」 「凄いですね、ザリガニ釣り上手いんですね」

「経丸さんは何匹釣りました?」

「私はまだゼロです」  

士郎は経丸を煽るように

「えっ、もしかして経丸さん。ザリガニ釣り上手くないんですか?」  経丸は少しムッとしぷくっと頬を膨らませてから

「いや、これからですから。絶対に士郎さんより多く釣りますから‼」 「ほぅ~今から五匹差ひっくり返せますかね」

「絶対にひっくり返しますから‼」  

経丸は先ほどまでとは違い真剣な表情で石の間とかを覗き込んだりする。  その様子を見た士郎は ちょっと前かがみ覗き込み過ぎじゃないか?大丈夫か?顔から落ちないか?まぁ、流石にそんな事はないか と思い目を離した瞬間

「ドボーン‼」  

士郎は慌てて振り向くと経丸が顏から落ちている。

「経丸さん‼」  

士郎は慌てて経丸を引っ張り上げて

「大丈夫ですか⁉」  

経丸は泥だらけの顔で思わず笑ってしまいながら

「ちょっと、夢中になり過ぎましたね」

「夢中になり過ぎですよ‼怪我はないですか?」

「怪我してないです(笑)」  

凛は拭く物持ってきて経丸の顔を丁寧に拭きながら

「経丸さん、お怪我無いですか?」

「ないですよ。凛ちゃんハンカチありがとう洗って返すね」 「怪我無くてホントに良かったです」  

河野はいきなり大声で

「片倉さん、あれを見て‼」

「あっ‼」  

片倉の

「あっ‼」

の声に皆反応して河野が指さした方向を見ると、両手両足を大の字のように二本の木にくくりつけられている女の子とその女の子を何人かの男が囲んでいる!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ