『プレスマンの芯の橋』
掲載日:2026/04/10
あるところに、「昔」と「話」と、名前のないやつがいた。三人は、連れだって旅をしていたが、渓谷のようなところに差しかかって、先に進めなくなってしまった。谷の幅は大したことがないのだが、深さはかなり深く、落ちたらかなり痛そうな感じである。「昔」と「話」は、回り道をしようと提案したが、名前のないやつは、谷底まで下りてからまた登ってくるのは骨が折れると言って嫌がった。見ると、プレスマンの芯が落ちていたので、名前のないやつは、それを橋にして、谷を渡ろうと考えた。「昔」と「話」は、絶対に折れるからやめるように言ったが、名前のないやつは、聞き入れなかった。名前のないやつが、プレスマンの芯の橋に乗った瞬間、プレスマンの芯の橋は折れ、折れたプレスマンの芯と名前のないやつは、谷底へ真っ逆さまに落ちていった。
名前のないやつは、谷底で、ぼきぼきに折れたプレスマンの芯を拾い集め、自分の中に入れた。「昔」と「話」は、これ以来、二度と会えなくなった名前のないやつのことを、プレスマンと呼んだという。
教訓:骨が折れるのを嫌がると別のものが折れるという話である。




