表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/35

血鴉号の初陣と科学の閃光

ブラッド・レイヴンは、活気あふれる海域**「黄金潮流おうごんちょうりゅう」**を航行していた。この海域は物資が豊富で、裕福な商船が頻繁に行き交うため、当然ながら海賊の格好の標的となる。

「獲物を狩るなら、ここが一番だぜ、ミン、レン!」ジーロは舵輪を握り、豪快に笑った。「今日の戦いは、お前たち新メンバーの初めての実戦試験だ!」

その時、水平線から巨大な帆船が姿を現した。船首には血塗られた鉄の斧が飾られている。『赤鉄の斧』海賊団。アゼオスで悪名高い、粗暴な集団だ。

「ちっ、『赤鉄の斧』の船長ギルガメッシュか!あれは俺の獲物だったのに!」ジーロは舌打ちをした。

「船長!彼らが船を寄せてきます!武装した乗組員が甲板に!」ミンは双眼鏡で確認し、すぐに機関室へと向かう。

「レン!甲板を頼む!奴らの旗を斬り落とせば、戦意を挫ける!」ジーロが号令をかける。

「分かったわ!」レンは目を輝かせた。雷光蛇剣が放つ青い光は、彼女の戦闘への興奮を映し出していた。

二隻の船は激突し、船体を擦り合わせた。海賊たちが鎖を投げ、ブラッド・レイヴンに乗り移ろうと殺到する。

レンは待っていた。彼女は新しく手に入れた力を試したかったのだ。彼女は甲板を駆け抜け、襲いかかる三人の海賊を一瞬で通り過ぎた。

シュシュシュ!

音は極めて静かだったが、結果は明確だった。海賊たちの鎧は、まるでバターのように切り裂かれ、彼らは何が起こったのか理解する前に、その場に崩れ落ちた。雷光蛇剣の高速振動は、単に斬るだけでなく、接触した対象の内部構造に高周波振動を与え、麻痺させる効果ももたらしたのだ。

「馬鹿な!あの女、以前の三倍の速さだ!全員、乗り込め!船長室を狙え!」ギルガメッシュが叫んだ。

その時、機関室からミンの声が響いた。「ジーロ船長!敵船が船尾に集中しています!第二機関の排気ポートを解放します!舵を切ってください!」

「分かった!技術屋、派手にやれ!」

ミンは船倉から予備の雷光石を数個取り出すと、それを機関室の船尾側にある排気口の近くに設置し、自作の多機能リストバンドから微弱な電流を流した。瞬間的に、排気口周辺に強い磁界が発生した。

ジーロが舵を大きく切った瞬間、船尾から高圧の魔法蒸気が、磁界によって制御された状態で、敵船の甲板めがけて噴射された。蒸気は敵船の乗組員を吹き飛ばし、同時に彼らが装備していた鉄製の武器や鎧が、ミンの発生させた磁界によって一時的に重くなった。

「な、なんだこの圧力は!体が動かない!」赤鉄の斧の海賊たちは混乱した。

レンはこの機会を逃さなかった。彼女は敵の船長ギルガメッシュ目掛けて飛び上がり、彼の巨大な鉄斧を受け止め、蛇剣の力でそれを内部から破壊した。

「あんたの力は、原理を知れば無力よ!」

ジーロは最後のトドメを刺すべく、強力な海魂の力を結集した。

「勝利は血鴉号のものだ!嵐の旋風せんぷう!」

巨大な風のドームが敵船を包み込み、ボロボロになった船体はそのまま海に沈んでいった。

海戦はブラッド・レイヴンの圧勝に終わった。

甲板で、レンはミンの多機能リストバンドを見つめた。

「お前の科学は、私が知る全ての魔術師よりも実戦的だわ」

「ありがとう、レン。君の剣と、私たちの技術が合わさったからこそです」ミンは達成感に満ちた笑みを浮かべた。

ジーロは二人の肩を組んだ。「最高だ!お前たち二人が揃えば、俺たちは本当にこの海を獲れるかもしれないぞ!」

ブラッド・レイヴンの航海は、今、勢いを増した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ