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世界政府の反撃と対波動部隊

中央海軍指令基地での**『無力化の波動』の衝撃は、瞬く間に世界を駆け巡った。海軍の権威は地に落ち、各地で科学者や反体制派**が蜂起し始めていた。しかし、世界政府の対応は予想よりも速く、冷徹だった。

ブラッド・レイヴンは、位相ジャンプによる圧倒的な速度で海軍の追跡をかわしていたが、キラの顔に緊張が走った。

「ミン、ジーロ船長。後方から異常な艦隊が接近中よ。その動きは次元の乱れを無視している…まるで私たちを予測しているようだ!」

「まさか、もう対策を練ったというのか!?」ジーロが訝しむ。

彼らの前に現れたのは、これまでの海軍とは全く異なる、黒い特殊装甲で覆われた艦隊だった。その船体からは、時空エネルギーの変動を打ち消すための干渉波が放出されていた。彼らこそ、世界政府が秘密裏に編成した**『対波動部隊たいはどうぶたい』**だった。

「海賊血鴉号!貴様らの反秩序技術は、ここまでだ!我々は無力化波動の残存周波数を解析し、それを相殺する遮断装甲を開発した!」部隊の指揮官、ゼロ少将が通信で宣言した。

ブラッド・レイヴンは攻撃を受けた。ゼロ少将の部隊は、通常の海軍将校とは異なり、肉体的な海魂に頼らず、精密な機械兵器で武装していた。

「ミン!無力化フィールドを!」レンが叫んだ。

ミンは即座にフィールド発生装置を作動させた。逆位相の波動が対波動部隊を襲った。兵士たちの海魂は瞬間的に抑制されたが、彼らの動きは止まらない。

「効かない!?」ジーロは愕然とした。

「彼らは装甲で周波数をシフトさせている!絶対的な無力化には至らない!彼らは科学で、私の科学に対抗している!」ミンは悔しさに顔を歪ませながら、増幅装置で敵装甲の共鳴周波数をリアルタイムで解析し始めた。

ゼロ少将は冷酷に命じた。「目標はミン!科学の悪魔を拘束しろ!他の海賊は重力拘束弾で無力化せよ!」

特殊部隊の兵士たちが、ブラッド・レイヴンに乗り込んできた。彼らの装甲は海魂こそ持たないものの、非常に硬く、レンの雷光蛇剣でも完全に貫通させるには時間を要した。

「くそっ!動きが鈍い!この装甲、船の材質と同じくらい硬いぞ!」レンが苦戦する。

「レン!装甲の継ぎ目を狙え!ジーロ船長!奴らの装甲表面の共鳴周波数を乱す、極超音波の風圧を叩きつけてくれ!」ミンはコンソールから、二人に精密な指示を飛ばした。

ジーロは、海魂の設計図によって強化された風の力を、一点に集中させた超音波の塊として、兵士の装甲に打ち付けた。装甲は激しい振動を受け、表面に微細な亀裂が生じた。

その亀裂を狙い、レンは分子振動を極限まで高めた蛇剣を突き刺した。装甲は科学の力で内側から破壊され、兵士は機能を停止した。

これは、海魂対海魂の戦いではない。応用科学対応用科学の知恵比べだった。

「ゼロ少将…お前の装甲の防御周波数は、4.2GHz!無力化フィールドの出力を再調整する!」ミンは汗を拭い、一瞬で無力化フィールドの周波数を4.2GHzに合わせた逆位相へと変更した。

キイイイィン!

再度の波動が対波動部隊を襲うと、兵士たちの装甲は共鳴を失い、ただの重い鉄の塊と化して地面に崩れ落ちた。

「馬鹿な!この短時間で、我々の技術を解析し、無効化しただと!?」ゼロ少将は恐怖に震えた。

「世界政府よ、お前たちの科学は、既に古代の知識を携えた我々には通用しない!」ジーロは宣言した。

キラは、船体を包む次元の乱れを感じ取った。「船長!連続的な次元ジャンプの準備ができたわ!この混乱に乗じて逃げる!」

ブラッド・レイヴンは、対波動部隊の艦隊の真上から、一瞬の光となって消え去った。世界政府の科学的な反撃は、再び海賊の優位性を証明する結果となった。

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