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知識の適用と人工海魂

虚無の宝庫を脱出したブラッド・レイヴンは、キラが解読した最終座標**『世界のヘソ(中心)』へと向かっていた。機関室では、ミンがほとんど食事も睡眠も取らずに、『海魂の設計図』**の知識を船のシステムと自身の装備に統合していた。

「ミン、五日も寝ていないぞ。休め!」ジーロが心配そうに声をかけた。

「休んでいる暇はありません、船長。この設計図の真価を発揮するには、まず私が、この知識を完全に具現化しなければならない」ミンは、彼の多機能リストバンドに新たに組み込まれた装置を調整していた。それは、**『海魂共鳴増幅装置かいこんきょうめいぞうふくそうち』**と名付けられていた。

「これは、海魂を持たない人間でも、設計図に示された正確な電磁波周波数を出力することで、周囲の海魂エネルギーを制御するための装置です。私自身の頭脳が、人工的な能力者となるための触媒となる」

「あんたが、海魂を使うだと?」レンは驚きを隠せない。ミンは常に海魂を科学の対象としてしか見ていなかったからだ。

「ええ。これは魔法ではありません。究極の科学です。この海域は、キラの指示によると、海魂エネルギーの密度が非常に高い。ここで試運転を行います」

船は、空気中の魔力が目に見えるほど濃い、荒れた海域に入った。ミンは甲板に上がり、増幅装置を作動させた。

彼のリストバンドが青白い光を放ち、周囲の空気のH₂O分子の振動数を測定し始めた。ミンは、脳内で設計図の数式を再現し、周囲の大気に**『特定の一点』への圧縮信号**を送り込んだ。

「圧力場、生成開始!」

ミンの指示にも関わらず、彼の体から魔力が放出される様子はない。しかし、彼の目の前の空間が、歪み始めた。そして、その一点から、制御された鋭い突風が吹き出した。

突風は、ジーロが通常発生させる暴風とは異なり、実験室で計算されたかのように正確で集中していた。それは、まるで目に見えない科学の刃のようだ。

「信じられん…!俺の風の海魂と、全く同じ原理だが、より精密だ!」ジーロは歓声を上げた。

ミンは満足そうに装置を停止させた。「成功です。風だけでなく、水の分子配列を操作すれば、防御シールドや水の刃も生成できます。私は今や、無限の可能性を持った能力者となりました」

レンは、ミンの能力を見て、複雑な表情を浮かべた。「私が血を流し、命を懸けて手に入れた力が、あんたの機械で再現されるなんて。だが、これこそが、あんたの真の価値ね」彼女の言葉には、羨望ではなく、挑戦の意が込められていた。

キラは、彼らの能力の進化に感動していた。「これなら、『世界のヘソ』の次元の壁も、ミンの力でこじ開けられるわ!私たちの旅は、もう誰も止められない!」

ミンは、増幅装置を装着した腕を海に向けた。海魂を科学で手に入れた彼は、もはや**『科学の悪魔』ではなく、『真理の支配者』**へと進化しつつあった。

彼らの目標は、世界の法則の源、**『世界のヘソ』**だ。

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