表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/35

虚無の宝庫への跳躍と次元の逃

星見の島での戦いを終えたブラッド・レイヴンは、キラが解読した位相変換機のデータに従い、**『虚無の宝庫』へと向かっていた。宝庫は物理的な場所ではなく、この世界とは異なる『次元の狭間はざま』**にあることが判明した。

「ミン、宝庫の入り口は、この海域の時空間の乱れが極限に達する、次の日の正午ちょうどよ。一秒でもズレたら、私たちは永遠の虚無に落ちる」キラは緊張した面持ちで、位相変換機に手を添えた。

その時、水平線に異様なほどの巨大な影が出現した。海軍の最高戦力、ゼッタイ元帥率いる**『絶対封鎖艦隊』だ。数十隻の軍艦がブラッド・レイヴン**を半円状に取り囲んだ。

「終点だ、血鴉号!科学の悪魔は、これ以上世界を乱すことは許されない!」ゼッタイ元帥の海魂の力は、周囲の空間そのものを絶対的な剛性で固め始めた。

「まずい!ゼッタイ元帥の**『空間固定くうかんこてい』の海魂だ!次元の狭間への位相シフト**が、物理的にロックされます!」ミンが叫んだ。

「逃げ場はないぞ、海賊ども!降伏しろ!」ゼッタイ元帥が号令をかけると、艦隊の全砲門が一斉に火を噴いた。

「キラ!宝庫への座標は確定しているのか!?」ジーロが叫んだ。

「ええ!この固定された空間から脱出できる唯一の座標は、虚無の宝庫の次元の入り口そのものよ!時間が来るまで、ミンのシステムを最大出力で守って!」

レンとジーロは、迫りくる砲弾に対し、決死の防御に出た。ジーロは風槍斬を放ち、砲弾の軌道をわずかに逸らす。レンは雷光蛇剣で、船を狙う大型砲弾を精密に迎撃した。

「ミン!あと十秒だ!」レンは全身に傷を負いながら叫んだ。

ミンは、位相変換機の最終計算を急いでいた。「ゼッタイ元帥の空間固定を破るには、時空蒸気機関の出力を限界まで引き上げ、時空結晶に過負荷をかけるしかない!この次元の時定数を強制的に歪ませる!」

「五秒!」

ミンは覚悟を決めた。彼は時空蒸気機関のリミッターを解除し、コアの古代エネルギーを位相変換機へと一気に流し込んだ。船全体が、これまでにないほど強く、青白い光を放ち始めた。

「キラ!瞬間位相ジャンプのタイミングを合わせてくれ!」

「了解!正午、カウントダウン開始!3!2!1!…今よ!」

キラが叫んだその瞬間、ミンは位相変換機のレバーを叩き込んだ。

ドゴオオオオオオン!!!

ブラッド・レイヴンは、ゼッタイ元帥の空間固定を文字通り引き裂き、閃光と共に消滅した。

海軍の攻撃は、血鴉号がいた空虚な海面を叩いた。ゼッタイ元帥は、そのありえない現象に、怒りよりも深い恐怖を覚えた。

「消えた…!次元を、力で…!」

一方、ブラッド・レイヴンの乗組員は、船内の照明が消え、耳鳴りがするほどの静寂の中にいた。船は、周囲が星のように輝く、無数の情報で満たされた、広大な次元の図書館のような空間に浮かんでいた。

「ここが…虚無の宝庫」キラは畏敬の念をもって呟いた。

「成功だ、技術屋!」ジーロの歓声が響いた。

ミンは、安堵と共に、虚無の宝庫に満ちる古代の知識という、彼にとって最高の宝を見つめた。科学が、ついに世界の秘密の入り口をこじ開けたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ