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時空を超越する船と海軍の猛攻

歯車島での三日間の作業を経て、ミンはついに改良を終えた。古代の時空結晶は、魔法蒸気機関のコアに埋め込まれ、波動安定器と直結された。機関室全体が、今や微かに青白い光を放つ、**『時空蒸気機関』**へと変貌していた。

「ジーロ船長!船の全てのシステムを古代エネルギーに切り替えました。これは単なる動力源ではありません。一種の次元制御システムです」ミンは興奮気味に説明した。

「次元制御だと?そんなものが本当に動くのか?」ジーロが訝しむ。

その時、レンが警告を発した。「東から巨大な戦艦が!あれは…中将クラスの旗艦よ!島から放出されたエネルギーで、居場所がバレたわ!」

海軍の旗艦、『アイアン・ウォール』が島の沖合に展開し、その巨体から何十門もの大砲がブラッド・レイヴンに向けられた。甲板には、厳めしい顔をしたサイラス中将が立っている。彼は**『岩石操作がんせきそうさ』の海魂**の能力者で、その防御力は鉄壁で知られていた。

「海賊ども!貴様らの異様なエネルギーを感知した!そこで開発された全ての反秩序技術は、世界政府の名において破壊する!」サイラス中将が海魂の力で大地を震わせながら叫んだ。

巨大な岩石の塊が生成され、ブラッド・レイヴン目掛けて雨のように降り注ぐ。

「防御だ!ジーロ!」レンが叫ぶ。

「無駄だ!俺の風のバリアでは、この質量は受け止めきれない!」ジーロは顔を歪めた。

「必要ありません!ミン!波動安定器をシールドに!船を次元の狭間に隠せ!」

「了解!」ミンは安定器に手をかざし、時空結晶のコアを一気に稼働させた。

キイイイィン!

船全体が青白い光に包まれた。ミンは安定器の周波数を、この次元の位相とわずかにズレた虚数領域へと設定した。

岩石の塊がブラッド・レイヴンに到達した瞬間、船は幻影のように揺らぎ、物理的な衝突が発生しなかった。岩石は、ブラッド・レイヴンを通り抜け、島の金属の地面に激突した。

「な、なんだと!? 船が…消えた!?」サイラス中将は驚愕し、目を疑った。

「これは消滅ではありません!『位相シフト(いそうシフト)』です!船を一時的に無効化しました!」ミンが叫んだ。「しかし、この負荷は長くは持たない!ジーロ船長!反撃のチャンスです!奴の防御の構造を、この時空エネルギーで破壊する!」

「面白い!技術屋、やるぞ!」

ジーロは、安定器の力を受け、強化された海魂を剣に込めた。彼は岩石操作の岩壁に、敢えて風槍斬を放った。

ジーロの斬撃は岩壁にわずかな亀裂しか入れなかったが、ミンはそこを狙った。

「亀裂に逆位相の時空エネルギーを流し込む!」

ミンは安定器から、サイラスの岩石と同じ周波数のエネルギーを、亀裂を通じて岩壁の内部へと注入した。

岩壁は、内部と外部の位相差に耐えられず、一瞬で粉砕された。

「構造を破られた!?」サイラス中将は衝撃を受け、防御を失った。

「今よ!」レンは甲板から海軍の旗艦目掛けて雷光蛇剣を投げつけた。剣はまるで意思を持っているかのように、サイラスの肩をかすめ、彼の指揮系統を破壊した。

海軍は恐慌に陥り、退却を余儀なくされた。

「時空を操る海賊団だと!?」サイラスの声が海に響いた。

ブラッド・レイヴンは勝利の雄叫びを上げ、新世界の深部へと、その航海を続けた。科学の力は、海魂の絶対的な支配を完全に打ち破ったのだ。

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