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波動安定器の完成と多重魔力の試練

ブラッド・レイヴンのメインマストの根元に、ミンの傑作**『海魂波動安定器かいこんはどうあんていき』が厳重に設置された。深海で採掘したレアアースと雷光石が組み合わされたその装置は、複雑な真鍮の歯車と、中央で青く輝くクリスタルコアを持ち、まるで科学の祭壇**のようだった。

「準備完了です、ジーロ船長。これは、あらゆる海魂の波動を解析し、その周波数を逆位相で打ち消すことができます。ただし、複数の周波数に同時に対応するには、私がオペレーターとして調整する必要があります」

「信用しているぞ、技術屋。これで世界政府の連中も、俺たちを止められなくなる!」ジーロは歓喜した。

その瞬間、濃い霧が周囲を包み込み、三色の帆を掲げた海賊船が横から突っ込んできた。『三色鳥海賊団』。三人の幹部が異なる海魂を使うことで悪名高い集団だ。

「獲物発見!血鴉号、もらった!」甲板から炎の玉が放たれ、同時に船体からは鋭利な金属の槍が突き出した。さらに、周囲の霧が幻覚を帯び、乗組員の目を眩ませ始めた。

「三種類の海魂だ!炎、金属、そして幻惑!」レンが叫んだ。炎に怯み、幻覚で視界を失い、船は金属の槍に貫かれそうになる。

「ミン!やれ!」ジーロが怒鳴った。

ミンは安定器のコンソールに飛びついた。彼の多機能リストバンドが瞬時に三つの異なる周波数を測定した。

* 赤色 (炎): 高周波・熱エネルギーの安定波。

* 灰色 (金属): 低周波・構造維持の共振波。

* 緑色 (幻惑): 中周波・脳神経への干渉波。

「くそっ、一度に三つか!まず、幻惑を排除する!」

ミンは震える指でダイヤルを回し、緑色の周波数に逆位相の対抗波を放った。

キィン!

耳鳴りのような音と共に、濃い霧が一瞬で晴れた。三色鳥海賊団の乗組員たちは、突然視界が回復したことに驚き、動きが止まる。

「幻惑が消えた!やるな、ミン!」レンは歓声を上げ、視界を遮るもののなくなった甲板で、炎の玉を放とうとしていた敵幹部目掛けて飛び出した。

「次は炎だ!」ミンは次に赤色の周波数に焦点を合わせ、冷却効果を持つ中和波を放った。炎の玉は空中で勢いを失い、ただの煙となって消滅した。

その隙に、ジーロは風槍斬で敵船の帆を切り裂く。しかし、船体を守る金属の槍は依然として脅威だ。

「最後は金属!構造を破壊する!」ミンは安定器の出力を最大にし、低周波に微細な不規則振動波を送り込んだ。

ガガガ…!

敵船から突き出ていた金属の槍は、その構造維持ができなくなり、まるで砂でできたかのように崩れ落ちた。三色鳥海賊団の幹部たちは、自分たちの能力が突然無力化されたことに、恐怖と混乱に陥った。

「馬鹿な!俺たちの海魂が効かないだと!?」

これがレンにとって最後のチャンスだった。彼女は雷光蛇剣を振るい、三人の幹部を圧倒的なスピードで打ち破った。

ブラッド・レイヴンは、ほとんど無傷で敵船を沈めた。

ジーロはミンの肩を抱き、興奮で体を震わせた。

「ミン!お前は、このアゼオスで最も恐ろしい存在だ!剣でも、海魂でもなく、科学でこの海を支配するつもりか!」

「支配ではありません、ジーロ船長。ただ、自由を掴むための手段です。これで、私たちはどんな強敵にも対応できます」

ミンの額には汗が滲んでいたが、その瞳には、自身の理論が世界で通用することを証明した、深い満足感が宿っていた。

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