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珪素

梁元帝の作に泛蕪湖詩というものがある。曰く、桂潭連菊岸、桃李夾成蹊、石文如濯錦、雲飛似散珪、橈度菱根反、船去荇枝低、颿隨迎雨鷰、鼓逐伺潮雞。合肥から江を挟んで南の蕪湖(漢代丹陽郡の県のあたりを指す、現在の共産党支配下の行政区画はよく知らない)、草が生い茂る湿地でありながらも得も言われぬ壮観である表した美しい詩で、雲が飛ぶこと珪を散らすに似たり、という節が私はとても好きだ。珪は玉部を从え聲を圭とする字であるが、圭は説文によれば瑞玉を指しまた玉部を見るに珪と圭はあまり区別されずに用いられている。珪は玉の素にあたり、形状や色により玉部の様々な字へと分類される。瑞玉はおおよそ珪酸塩と言ってよく【Jadeite:NaAlSi2O6を主とするJedeititeやTremolite-Actinolite-Ferroactinolite join:Ca2(Mg,Fe)5Si8O22(OH)2を主とするNephriteを指しているらしい】Siliconに珪素という字を当てているのはとても良くあっていると思う。

ただ文化庁によると珪は常用漢字ではないとされて、和文の解説論文では使用が推奨されないことがある。もちろん、常用外の字をなるべく使わない、という投稿規定であることが多く私は出来うる限り珪素あるいは珪酸塩と綴るようにしていた。硼素や砒素などでもそうだがカナ混じりの元素名は美しくない。ただ最近編集部に負けてついてカナ混じりの元素名で論文を書かされることとなってしまった。常用漢字というものは好ましくない文化だと思う。

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