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騅は何色なのか

力拔山兮氣蓋世、時不利兮騅不逝、騅不逝兮可柰何、虞兮虞兮柰若何


この古い詩は良く知られているものだろう。太史公書項羽本紀でこちらを包囲した漢軍が楚の歌を謳っているのを聞き項王が死を悟り詩ったとされる。さて、騅は項王の愛馬の名に見えるが特定の毛色を持った馬のことを指している。前漢代に編纂された爾雅によると騅は蒼白雜毛のことを指すとしている。葦毛の競走馬であるゴールドシップ(主な勝鞍:皐月賞・菊花賞・有馬記念・宝塚記念二連覇・天皇賞春)の種牡馬となってからの写真を見ると真っ白であるが、皐月賞のころの矯正馬具をつけていない彼の写真を見ると葦毛を蒼白雜毛と記す理由が分かるだろう。爾雅には菼のことを騅としている、菼は説文によれば雚之初生一曰薍一曰鵻とある。雚は説文内ではススキの類の植物としても現れるし、鸛と書くようにコウノトリをそのまま表していたりする。そのため白い毛のことを指しているのだろう。

さて説文では撞着する騅について記述が表れる。説文では騅は馬蒼黑雜毛としており馬青白雜毛は驄だという。ゴールドシップの母の父にあたる競走馬、メジロマックイーン(主な勝ち鞍:菊花賞、天皇賞春二連覇、宝塚記念)も葦毛だ。しかし旧四歳の頃の写真を見ると尾の先と体に僅かながら白い部分があるが大半は黒い。説文の成立は後漢であることを考えるとかつて黒い体毛からやがて白くなりゆく葦毛を騅としていたが、時代が下ると若い頃を騅、齢を重ねたら驄と書くようになったのではないのだろうか。


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