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食指

「食指が動く」は左傳を出典とする慣用句である。左傳宣公四年を雑に訳して話そう。鄭靈公が楚から黿すっぽんを送られたので家臣にそれを振舞おうとする。臣である公子宋(以降子公)と公子歸生(以降子家)も招かれていた、そしてそろそろ到着するというころに子公の指が動く(子公之食指動)。彼はそれを子家に示して「他日もこうなったが、そういう時は珍味を食べることができるんだ」と言った。靈公の邸に入ると料理人が黿をさばくところを見て二人は見合わせて笑った。

故事を思うと現代の日本における用法はあまり正しいとは言えず、本来は「何らかの気配を察知する」という意味で用いるのが好ましいと思う。なんともほっこりするエピソードだがその後は血なまぐさい話になる。靈公は二人が何故笑ったのかを尋ねた。子家はそれに対して経緯を答えた。靈公は他の大夫たちとともに先に黿を食べた、その後子公を呼んだ時にはすでに鼎の中に黿はなかった。子公は怒り鼎に指を突っ込みそれを舐めて帰った。靈公はそれを見て怒り子公を殺そうとする、しかし子公と子家が先に謀り靈公を弑した。文公十七年のあたりからの外交関係の記述から色々とあったのは察することができるとは言え、食べ物の恨みは怖いとも言える。靈公は子公の無礼に怒ったわけではなく子公と子家が二人で何か話をして笑っているという状況に疑心を抱き、子公の態度でそれを確信したのではないのだろうか。

ちなみ宣公四年の出来事は公羊傳及び穀梁傳には「鄭公子歸生弑其君夷(夷は鄭靈公の諱)」とあるだけで食指に関する逸話はない。太史公書鄭世家には左傳をもとにした食指に関する逸話がある。靈公の問いに答えたのが子家とは明示されておらず子公が答えたようにも見える。


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