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好きな米焼酎

焼酎ならば米焼酎が好きだ、ただしなければ芋を飲むことが多い。私は基本的に蒸留酒しか飲まない、ただウイスキーやラムは食事には合わない、となるので食中酒は焼酎ということになる。米焼酎は芋や麦に比べると、九州でもない限り主流ではない。しかしながら酒造の作った米焼酎という優れたものがあるのでいくつか紹介したい。

一つ目は岡山の三光正宗の粋、緑色の瓶が特徴的な米焼酎だ。多少の雑味のある香り、それに伴って味にもそれが僅かに含まれるがそれを埋め尽くすほどの甘さと味わいがあるのが特長だ。私のせんせえが色々とあって岡山に行くことになって、博士課程の頃はそこで過ごした。岡山の駅前の西川緑道公園の近くに西の丸という瀬戸内や山陰の魚料理が美味しい料理屋がかつてあった、私の先生は企業や他大学・研究所から客人が来ると私も連れてそこに行く。そこで出てくるのがボトルキープされている粋だ。ちなみに結構危険な酒である。私の先生のところの出身だが諸々の理由で博士号を長らく取らずに放射光施設に勤めていた人が博士号を取り、私の先生のところで学位を取った人でその施設の一つのビームラインの長だった人が別のところに異動することが決まり、そんな祝い事が重なった時があり、津島のほうの知り合いのひと一人を加えて飲みに行ったことがあった。粋は氷で割るととても芳醇で甘く飲みやすくなる、しかしながら酒精は一般的な加水したウイスキーよろしく四十二度あるのだ。そのときは来客がみんな潰れてしまったためホテルまで私と先生で頑張って運んでいかなければならなかった、酔いは帰る頃には醒めてしまっていた。

二つ目は越乃寒梅の古酒乙焼酎。新潟に出張があったときに飲み屋においてあるのを見て飲んでみたらとても美味しかった。前述の粋に比べると甘みは多少落ちるものの、そのぶん香りの清涼さが増している。かといって粕取のように味がしないわけではなくしっかりと果実味のある円やかな甘みが確かに存在している。さて、これには十年古酒というより値が張るものがある、少し悪いがあまり味が変わらない。ウイスキーでよくある、或る年数を超えると味の良さ(適当なしふぉん指標)飽和してしまうあれだ。例えばEvan Williamsは黒いのと十二年の赤いものの差は歴然だ、しかし二十三を飲むとたしかに落ち着いてはいるものの……、と思ってしまうだろう。まぁ、Bourbonは熟成年数が上がると得てしてどれも似通った味になってしまうという問題点があるといえばそれはそう、もちろん美味しいのは確かなので安心して飲めるのだが……。

最後は七賢アラン・デュカス・サステナブル・スピリッツ、猿先生のような中黒連打が美しい。この酒は粕取りである、粕取りは酒粕から作った焼酎だ。吟醸粕取りともなると離れていても分かる華やかな香りが広がるが、味は殆どしない。そのため食事中に飲んでいると気づかないうちに飲みすぎてしまう。昔、本物川関連の人々が集まって(ただし本人はいない)飲み会をした事があった。そのときに訪れた店には石鎚の吟醸粕取りがあって、それを飲んでいたこむらさきさんがKOされていたのを覚えている。さて、このアラン・デュカス・サステナブル・スピリッツは吟醸粕取焼酎を、近場のサントリー白州工場から譲り受けた樫樽で熟成させているため微かに虎魄に色づいている。また元の酒から来ているのか、熟成で生まれたのか甘さが生まれている。そのため粕取りのあの出色の香りと、味わいが両立している。ちなみに七賢酒造はかつての蔵元が高遠の城主から竹林の七賢に関する贈り物をもらったのが名前の由来らしい(うろ覚え)、そのため阮籍や嵆康といった直接の名前がついたものもある。白眼視、白い目で見るの語源となった阮籍だが、そのラベルを見るたびに頭の中で「昔日繁華子、安陵與龍陽、夭夭桃李花、灼灼有輝光、悅懌若九春、磬折似秋霜、流盻發姿媚、言笑吐芬芳」と詠懐詩の一節が浮かび上がり、でもこの人嫁入りの詩である周南桃夭を本歌取りして美少年と愛し合う詩を詠んでたんだよなぁとなってしまう。


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