表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/69

教育苦手部

研究を指導していているとこのような疑問が思い浮かぶ、大学教員になるような人は大学教員に向いていないのではないのだろうか?


私が学部四年生の頃、九月くらいまでは大学の実験室で卒業論文に向けた予備実験を博士課程の先輩の方の指導のもと行っていた(最近、十年ぶりくらいにその方と共著になった論文を発表した)。秋になると、僻地にあるとある大学の附置研の研究者が学生を欲しがっているということでそこに飛ばされる。帰ってきてその内容で卒論を書くと、発表の数週間前に一度渡すと英語と論文の表現等を直してもらったあとは放置された、君は卒論発表くらい自己責任でできるでしょ、とのことだった。

修士課程はなんだかんだ実験と理論計算の両方をこなしていた、ここでも指導教員はやりたいことをやっている私にはあまり構わないという感じだった、干渉といえば放射光のビームタイム取ったから何かやってとかそれくらい。この頃から自分の実験手技の拙さが加速し、博士課程の先輩や、ちょくちょく行っていた附置研の研究者の方には色々と迷惑をかけたり、ありえないくらい実験が下手くそとか、近くにいると実験が失敗するとか言われながらも、研究内容に関してはあまり何も言われなかった。

博士課程の学生になると、別の教員のもとに行くことになった。そのときに修士のときの指導教員は嬉しそうに送り出してくれた。新学術領域かなにかの集会で久々に会ったときに「羽が生えたみたいだね」というような褒め言葉をもらった覚えがある。干渉されることや、管理されることを苦手とする私の性を見抜いていたのだろうか、修士までの指導教員の方にはとても感謝しているし、人格者だなと思う(そういや紫綬褒章もらったときの祝賀会で、だけれども僕は結婚生活だけはうまくいかなかった、と言っていたけれど……)。博士課程からの指導教員も私には干渉しなかった、しかしながら私からの質問には答えてくれるし、論文の直しもしてくれるし、飲みに行けばただで飲ませてくれる。ただ、博士論文はまともに見ていなかったらしい、そのことについて「君のことはもう研究者やと思ってたから」と言っていた。その後、ポスドク先でも基本的には生活リズムなどに関する管理はされなかった。管理してくることはないが学術的なディスカッションや研究計画に関することについての相談については乗ってくれる優しい人々に囲まれて、私はとても甘やかされて育ってきたのだ。


さて、こんな赤ちゃん人間が大学教員になると問題だ。学生を見ていると、何をやるべきか言ってもらわないと困るという人が多いように思う。まぁ私だって初めの予備実験の時はそれを先輩とかに教わってきた訳だ、その点についてはこちらでは計算走らせてデータを取らせて解析してくらいまでは手取り足取りやっている。ただ、論文を書いたりデータをまとめたりというのは自分で勝手にgoogle scholarで調べた論文からやったりしたわけだし、自分でやりなさいよと思ってしまう。そして生活リズムに関しても自分がガバガバなので学生にもなにも言わない。自分が干渉されたり管理されたりするのがいやだからと、己所不欲勿施於人としていると学生を放置することになり、研究指導とは儘ならないものだと思う。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ