iThenticateの数値だけ見ている編集者は科学の発展を阻害する
まぁ、Similarityを理由にrejectされたのだが自分でiThenticateを見てみて驚いた。まぁそもそもiThenticateとは何かという話をしよう。iThenticateは剽窃や盗作を検出するツールで、科学の業界ではElsevier、Springer Nature、そしてWielyが使っているため割と身近だ。ただ、科学というものを理解しているシステムじゃないので割と何にでもSimilarityを感じる、何でも自分が不快に感じる方に捉えて怒り主張する迷惑で敏感な人のようだ。
一般的な文節"proposed by XXX et al., [XX] based on..."とかが引っかかる。三語以上でAbbreviationになってないのもだめだ、"using nuclear magnetic resonance spectroscopy"だとかそういうのが引っかかる、これはNMRといえばまぁ分かるからいいけれども例えばもう少し狭い分野の人にしかわからないものの場合、多少しか使わないのなら省略するべきでないだろう。同じ手法を用いた研究をすれば引っかかるし、自身が過去の研究で用いた変数の多い式なんか説明したらそれだけでSimilarityが爆上がりする。Paraphrasingをしろというが、そもそも科学においてParaphrasingは定義が曖昧になりかねないので避けるべきだ。それに例えば自分の研究を踏まえて自身の新しい研究の解説をするときに、要点だけ取り出してより洗練した文章にしてもSimilarityはあがる、しかしながら論文はある程度は引用文献に立ち返らずに読めるほうが好ましい。直接Quoteすればいいと思うかもしれないが、直接Quoteして引く機会というのは自然科学の論文では少ないだろう、しかも大体批判的な文脈だ(直接的なデータがない個人の感想)。Cover Letterに重複に対する説明を書くと編集者によっては意図を汲んでくれたりもするが、過去には存在しなかった無駄な労力だし、それによって最初のスクリーニングを通過できるかと言うと、まぁ俗悪な表現を使うとガチャだ。結局のところ、iThenticateは科学が過去の研究の検証のうえに洗練されるものだということを知らないし、論文の可読性を下げる。あと次の日起きるとSimilarity Reportが変わることもあって一意性が怪しい。まぁただこれまでの愚痴はちゃんとiThenticateの主張を取捨選択すればいいだけの話で、正確には"iThenticateから出てくる数字だけ見ている編集者は科学の発展を阻害する"が正しいように思う。
まぁ導入したい気持ちはよく分かる。現在、インターネットで投稿されるようになって論文の絶対数が増えた、編集者ははっきり言ってオーバーワーク状態だろう。中には悪意を持った剽窃論文、或いは重複論文も投稿されるだろう、はじめからハゲタカ論文誌に出してくれよ、と編集者は嘆きたくなるだろう。だから、最初にツールを使って数値的にそもそもの数を脳を使わずに減らすことができる手段を導入する気持ちは理解できる。




