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美男破老、美女破舌

周書の武稱解の一説である。結構汎用性があって故事成語として使い勝手が良さそうであるのにあまり引用されているところを見ない。例えば戦国策で晋の獻公が郭に攻め入る際に、家臣の荀息が「美女破舌」といって郭公に美女を送り籠絡し、国を乱してから攻め入り滅ぼした。また虞に攻め入る際は荀息は「美男破老」と言って、美男子を送り虞公に取り入らせ、賢臣と謳われていた宮之奇の讒言をさせ追放させてから侵攻した。ちなみに荀息は驪姫の乱で驪姫側の相国として権力を振るい無事死亡した、敵国滅謀臣亡という擁護はされず詩経を引いて論われるほどだった。

さて、韓子に「國君好内則太子危、好外則相室危」という節がある。国君が女色を好むと(情愛の移り変わりなどで)太子が危うくなる、男色を好むと(寵愛する男を重臣にしたくなるため)相室が危うくなる、という意味だ。ちなみに似たような忠告は墨子の尚賢中にもある。先の荀息の話でもあるが、男色が遠因、もしくは直接の原因となって滅びた国は割とある。虞もそうだが何より前漢がそうだし、魏も似たような形で司馬懿が権勢を振るうようになった。明帝は後宮周りでアレなことで有名だが男も好きだった、芸文類集によると曹肇と恒同寝止で相愛の仲だった。漢の哀帝よろしくまともな世継もいないまま病床に伏せることになった明帝は劉放と孫資に無理に詔を書かされ曹肇や秦朗など親族かつ寵愛していた者たちを追放した。彼らは涙を流しながら宮中を去ったという、哀帝にとっての董賢になることもできなかったあたり哀愁を感じる。ちなみに芸文類集などは魚豢の魏略を引いている、これには佞幸傳があり曹魏の有力者の男性関係が記されていたのだろう。しかし散逸しておりまた陳寿は淡々と真面目に行政記録を元に纏めたため当時の男性同士の関係はあまり分からない。

虎傅翼は周書寤儆解の一説で、韓非は難勢で「周書曰、毋為虎傅翼、將飛入邑、擇人而食之」とそのまま引いている。一方で先の節で挙げた國君好内則太子危好外則相室危は狐突曰の形で引用しているのだが微妙に言葉が変わっている。國語では驪姫の乱で死ぬことになった申生が狄人(東山皋落氏)との戦いで出陣しようとするところを狐突が国内が色々ゴタゴタしてキナくさくなっているので「突聞之、國君好艾大夫殆、好内適子殆社稷危」と諌めた。つまり原文では女色については変わらないのだが(そもそもまさに適子である申生が驪姫のせいで危うい立場にいる)、前半部分は艾(外征)に関しての話なので韓非は態々少し変えているのである、その意図は不明だ。


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