裏と表の二重生活
放課後。
校門を出て、人混みに紛れながらスマホを開く。
【Boss】
《昨日の任務、お疲れ。
休ませてあげたいところだけど――新しい指示よ》
(はい出た〜〜〜)
内心ため息をつきつつ、通知を開く。
《クロノスと正式にコンビを組みなさい学校では“ただのクラスメイト”としてでも、裏では完全連携。以上》
……は?
(ちょ、待て待て待て)
昨日まで正体不明だった相手と、
今日から即・相棒とか聞いてないんですけど。
しかも
“学校ではただのクラスメイト”って何?
今すでに気まずさMAXなんだけど???
スマホを握りしめたまま立ち止まってると、
「……アカネ」
後ろから、低くて落ち着いた声。
振り向くと、
時雨がカバンを肩にかけて立っていた。
「一緒に帰る?」
(は???)
心臓が一瞬で跳ねた。
「な、な、なんで!?」
「隣の席だし。
それに……」
一瞬だけ、視線が私のスマホに落ちる。
「俺にも、同じ通知が来た」
(あー……なるほど、そういうことね)
ボス、絶対わざとだ。
「……じゃあ、仕方ないね」
そう言って歩き出すと、
時雨は少しだけ間を空けて隣に並んだ。
夕方の風が、校舎の間を抜ける。
「……昨日のこと」
沈黙を破ったのは、時雨だった。
「驚いた」
「そ、それはこっちのセリフだから!」
勢いで言ったら、
時雨がほんの一瞬だけ、口元を緩めた。
……今、笑った?
「でも」
彼は前を向いたまま続ける。
「正体が分かった方が、やりやすい」
「冷静すぎでしょ……」
「任務では、な」
その言葉に、胸が少しだけざわつく。
(学校ではクラスメイト。
任務ではスパイ仲間)
境界線、ちゃんと引けるのかな。
家の前に着いたとき、
時雨は立ち止まって言った。
「明日から、よろしく。ラフィネ」
……コードネームで呼ばれると、
急に“現実”が押し寄せてくる。
「うん。よろしく、クロノス」
そう答えると、
時雨は小さく頷いて、背を向けた。
――こうして、
私と時雨の二重生活コンビが始まった
投稿休んでました。。これからは結構投稿しようと思うので見ていってください!!




