暗闇の中の初任務
「まぁここはもう共闘でいいでしょ」
「まぁ仕方ないか」
時雨ーーいやクロノスはそれ以上何も言わず取り巻きの方へ走っていった。
「ちょい待ってよ〜」
私もその後に続いて音もなく走り出した。
暗い学校の屋上に取り巻きたちがズラーリと並んでいた。
「わお、以外に数多いね〜!クロノスさんビビってたりして〜」
「お前こそ。逃げるなら今のうちだ」
時雨ーークロノスは無駄なく構え、まるで狼を思い起こさせるようなデザインのナイフを取り出した。
男たちは無言で間合いを詰めてくる。
その気配にアカネーー私の目も鋭くなる。
「じゃあ、派手に行こ!!」
その言葉を合図に私は一気に踏み出し、間合いを詰めた。
スティンガーを振るい、1人の敵の懐に周りこむと、背後に周り、一撃で相手を気絶させた。
「あいつ早す……グハッ」
もう1人の敵も静かに背後にいた時雨にナイフで喉元をつき、気絶した。
「ラフィネ!左だ!」
「おーけー!」
クロノスの言葉に反応して低く身をかがめて、滑るように敵の方に移動し回し蹴りをし、1発で気絶させた。
「お前、意外とやるな」
「まぁ、だてにスパイ業やってないからね〜」
2人は背中合わせで残りの敵と向かい合った。
「残り2人、こっちは俺がやる」
「おっけー!私こっちやるから、先に倒した方の勝ちね!」
「は?」
アカネは笑いながら残りの敵に向かって飛び出した。
その瞬間、敵がナイフを振るうーーがアカネは体を捻らせて避け、一気に敵の手首を掴み、関節を決める。
「はいっ終わり!」
クロノスの方も倒し済み。
「同時だったな……」
「くー!次こそは勝つから!!」
2人は息を整える。
暗闇の中、何も無かったかのように立ち上がる。
「これでやっと帰れる〜」
「……だな。まぁこれからもっと大変になるけど」
暗闇の中、私"たち"の初任務が終わった。