転校生
「よーし、今回は転校生を紹介する。教室に入れ」
ふわぁ……やばい。昨日の夜、突然のミッションがボスから来て寝不足なんですけどー。
ほんと、ボスも夜にミッション出すとか鬼畜すぎ……
「転校してきた時雨一真です。」
ん?なんか聞き覚えがあるようなないような名前……
ってか顔もどこかで……
いや、気のせいか。
「じゃあ時雨の席は……アカネの隣にしよう。」
うわぁー隣居なくて居心地よかったのにー、
でも時雨って人なんか雰囲気が私と似てる?
はぁ考えすぎか
時雨は無言で私の席の隣に座った。
目が合ったけど何も言わずにさっと視線を逸らしている。
「よろしく……」
ボソッと小さく話しかけられたからこっちも
「よろ〜!」って軽く返したけど……
なんかノートのとり方とか授業の聞き方とか何となく落ち着いてて静か。
表の私とは真逆の性格。
この落ち着き方ふつーじゃない。
(まぁうちも今は演技してるし言えないから別に興味はないかな)
「アカネ〜隣の席の子チョーイケメンじゃん!!」
「アカネとお似合いだよ〜」
「違う違う!あの人うちと真逆の性格だしなんか苦手だから!」
「ほらほらぁ、そんなこと言ってほんとは好きなんじゃない?」
はぁ騒がしい毎日だな〜。
このとき私たちはまだお互いの正体に気づいていなかった。