協力者
次の獲物を探すためにまた私は歩き出した。
一見ただの鈍感っぽい生徒。でもーー思考は誰よりも冷静で冷酷。
「……にしても、最初からターゲットが先生の場所を分かって拘束していたのはおかしいな〜」
だとすると外部の協力者が先生の位置を正確に把握し、実行役に伝えた……、ただの偶然?
いや、そんなわけない。
ってことは……
内部に協力者ーーつまり"裏切り者"がいる
私は指でトントンと軽く通信機をたたき、通信を繋いだ。
「ボス、内部にターゲットの協力者がいる可能性がある。まだ、生徒か先生か分からないけど」
《了解。判断は任せる。安全を守るためならどんな手段を使ってもらっても構わない》
「りょーかい」
軽く笑って校内の防犯カメラワークに不正アクセス。……まぁ簡単に言えば、学校の防犯カメラをハッキングしたってこと。
改めてカメラをじっと見ると不自然な動きをしている男子生徒を発見した。ふつーに見ればただの男子生徒。でも、私こーゆーの敏感だから、すぐ分かった。
ーーこいつがターゲットの協力者だってこと
私は急いで男子生徒ーーいや、
ターゲットの"協力者"のもとへ向かった。
走っているとターゲットの協力者の影が見えた。
「みーつけた!」
反応される前に背後に回ってチョップをする。
よし、気絶した。
あ、でもターゲットの協力者から情報集めるの忘れてたわ。まぁいっか
「ボス、ターゲットの協力者確保」
《了解、今回収班を向かわせる。情報によるとこの敵が最後だ。だからもう学校に戻れ》
「りょーかい」
今回も私の一人勝ち
鼻歌を歌いながらクラスに戻る。
「あかね、急にいなくなってびっくりしたんだけど〜」
「ごめんごめん、うち影薄いからもしかしてみんなには見えなかったかもw」
みんなとの"平和"な会話
でも私の仕事はまだ終わらない。
だってみんなの前では何も出来ないバカな私を演じなければならないから。