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  作者: 空空
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表 

 彼は授かった。この世の何もかも疑い厭う、中途半端な性格を。誰もが1目見ればときめき、惚れる美貌を持たない顔を。背格好を。体格を。何でも中庸を願う心を。彼は苛むことだろう、いや苛むに違いないのである。苦しくもがき、やがて死を迎える存在。憤死・圧死とも言うべきか。それは社会が、メディアが、テレビが、人々が、創り出した「麻薬」に過ぎず、誰もが承知しているはずなのである。しかし彼は知らず、理解できず、ただ死に向かう。 類い希なる性格にもかかわらず!

 彼は後に数学者になるのではあるが、実は数学そのものになりたいと幾度となく願うのだ。物覚えの悪い犬か鶏のように幾度となく。しかし結局はそこに行くまでの性質を一切持っていなかった。神のみぞ知る領域だとか神の気まぐれだとか批判されうるのではあるが、彼は無神論者であり、蓋然性と必然性のハイブリッドである。

 彼は胎児の時から記憶・感覚がある、いわゆる奇形児であった。 


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