悪役になりたい
これはこの物語の最新エピソードです。皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。
日向は最近、映画に出ている。
監督はレオポルド・アルトゥレズ・シドソン。
チュビの旧知のアートハウス系映画監督だ。
低予算。
長回し。
沈黙。
意味深な影。
今回の作品のタイトルは――
『Even So, I Still Love You』
殺人スリラー。
しかも日向の役は、冷酷で狡猾な男性ヴィラン。
「え、私が男役ですか?」
「君には両義性がある」
と監督は真顔で言った。
◆
日向はメソッド演技に挑戦することにした。
「役を理解するには、役になるしかない」
彼女は台本を読み込み、鏡の前で低い声を練習し、悪意のこもった微笑みを研究する。
だが――
彼女はまだ役の本質を理解していませんでした。。。
思考はだんだん極端になっていく。
(ヴィランの思考回路を理解するには……)
彼女は真剣に考えた。
(私自身がヴィランにならなければならない)
◆
深夜。
チュビのラボ。チュビはひなたが買ってきてくれたチーズを食べていました。
日向はふらふらと侵入する。
「これは……幻覚投影位相迷宮装置?」
彼女は勝手に解釈する。
「完璧……心理的追い込みに最適」
スイッチを押す。
◆
一躍
。
チュビ、桜、チエミ、チエコ、ミカミ、カナトは突然、見知らぬ空間に立っていた。
巨大な迷宮。
壁は鏡のように歪み、空間が揺らぐ。
「……何だここは」
「またチュビの装置!?」
高い場所から声が響く。
「ようこそ」
黒いコート姿の日向。
目が少しイッている。
「恐怖と愛の迷宮へ」
「日向ぁぁぁぁ!?」
◆
迷宮が動き出す。
桜の前に現れるのは、誰にも必要とされない未来の自分。
チエコの前には、全宇宙から忘れ去られた孤独な自己。
チエミの前には、文学的才能を完全に失った自分。
そして――
ミカミの前。
扉が開く。
そこにいたのはチエミ。
だが。
隣に立っているのは――
トビ。
ミカミの“最悪の敵”。
チエミが笑っている。
「トビくんの方が安心できる」
手をつなぐ二人。
ミカミの心臓が締めつけられる。
(これは……幻覚だけだ!幻覚だけだ!幻覚だけだ!)
分かっている。
だが痛い。
どうしようもなく痛い。
◆
一方、迷宮の中央。
チュビは拘束されていた。
「日向! 装置の出力を上げすぎだ!」
「リアリティが足りないと意味がないの」
日向は真剣だ。
「私はヴィランの精神を体得する」
◆
チュビは何とか拘束を解く。
「位相逆転コード、強制入力!」
迷宮が軋む。
幻覚が崩れる。
トビがノイズになって消える。
壁がひび割れ、光が差し込む。
◆
全員がラボに戻る。
日向はふらついている。
「……私は、愛されながらも裏切る男の心を……」
ふらっ。
倒れそうになる。
チュビは怒りで真っ赤になりました。
「一体何してるんですか。」「馬鹿者!!」
しかし、その時彼は何かに気づいた。チュビはヒナタの目をじっと見つめた。ヒナタは夢遊病にかかっていた。どうやら彼女は不眠症のせいでここ数日眠っていなかったようだ。
チュビすぐにため息をつく。
「今必要なのは演技指導ではない」
注射器を取り出す。
「安眠血清だ」
「え、ちょ――」
ぷす。
「おやすみなさい」
日向はその場で崩れ落ちる。
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