2023年1月21日_21:02:30
「おぉ。よく来たな。」
「お疲れ様です。本日はどういったご用件でしょうか?」
風神会若頭如月組組長如月仁。直径団体の中では史上最年少若頭であり土方とは同じ時期に渡世を踏んだ友人でもある。
「よせよ今は俺たち1対1だ。俺がどれだけ出世しようとも変わらねぇよ。」
「今日の会計係は五島の兄貴だったんかいな。ホンマあの人は鬱陶しいてかなわへんで。特にお前が若頭に就任したあたりからな。」
「まぁ、万年若頭補佐をしてるからな。」
「お前も背中気を付けなあかんのと違うんかい。この前もお前ん所のミカジメ払うてる所の店長がパクられたやろ。あれは裏で五島の兄貴が。」
如月は「総一」と1度土方を遮り、机の上にあった酒を飲み干す。
「今日お前を呼んだのは別に今の俺の現状を聞いてほしいとか察してほしいとかましてやお前と五島の関係性でもない。調べてほしいことがあるからだ。」
「調べてほしい?だが俺は喧嘩以外に能はないで。」
「そんな事はねぇさ。」と答えて如月は机の中から小さなジップロックを取り出す。中には白い粉が入っている。
「おいこれって。」
「あぁ。麻薬だ。しかも相手は麻薬を御法度としている俺たち風神会の縄張りで売買してやがる。組長の耳にも入れたら顔を真っ赤にしていたよ。だが、俺たちが居ることにより歌舞伎町ほど半グレ共や海外の奴らも居ない。しかし、薬の売買はどこかで行われている。それを調べてほしい。」
「そんなもん組を総動員で上げたら現場なんかすぐに抑えられるやろ。」
如月はため息をはいて頭を抱える。
「いいか総一。これはもう今回だけじゃなくてもしかしたら数か月以上前から常習的に行われてるかもしれないんだ。それを、俺たちから気づかれずにずっと行ってきた連中が血眼になって探しているこちら側に気づかないと思うか?これは隠密動かないといけないんだ。この件は一部の幹部と組長しか知らない。」
「それで相手の隙を作るため単細胞の俺が単独で調べると。」
「いや、それじゃ時間がかかりすぎる。その為にもう1人お前に人をつけようと思ってな。」
同時に扉を2回ノックする音が部屋に響いた。
部屋に入ってきたのは日本人とは思えないほどの金髪とサングラス。ピアスにネックレスなどアクセサリーもつけているこの男は風神会若頭補佐の高城穂高。穏健派と言われているがその実風神会の闇とも言われている男である。
「お疲れ様です。頭本日はどういったご用件でしょうか?」
「今日お前を呼んだのはお前の相棒の紹介だ。」
「おぉ~お。今回の仕事は伝説と一緒ですか。どういった案件かはわかりますよ。薬売ってる馬鹿どもを調べればいいんですよね。もし、わかったらその場でぶちのめしたほうがいいですか?」
「お前がそんなことをしたら死体も残らないから報告はしろ。2人さえいたら大丈夫だな?」
「よく分かっていますね。確かにこの高城今回の一件承りました。必ずや頭にいい報告をしに来ますよ。」