第1話 土方総一
東京都平和島。
東京に作られた第2の歌舞伎町を目指し作られた人口の島。土地の中には居住地区や歓楽街・娯楽街などある中、風俗街や公営ギャンブル場なども存在し家族や子供の教育にいいのかと毎年囁かれている。
その上で5年前に行われた関西の暴力団と平和島を根城にする風神会が衝突したときの治安の荒れようは説明するまでもなかったが1人の男により終結された。
2023年4月10日月曜日 平和島娯楽街[雀荘・天]
「自摸・立直・一発・平和・一盃口・三色・純全帯么九・裏ドラが3つの数え役満で1万6000オール。」
「ちょっと土方さん。もう勘弁してもらえませんかね?もうお金が無くなっちゃいますよ。4連続で数え役満だされるとこっちも疑わざるをへないですよ。」
「馬鹿言うなここで辞めちまうと上納金納められへんねん。それに仮にイカサマならこの全自動卓でどおイカサマできるんか教えてくれや。」
ここの雀荘は客同士での合意の元ならレートを自由にできるがこの土方総一が座っている卓には点棒がないその代わりに現金で行う。
「お願いします。俺らもうこれで全員トビなんでウマの分も含めると本当に身ぐるみ剝がされるレベルなんです。」
「チッしゃーないの。ほな、はよ足らん分の金出さんかい。」
男たち3人は1万6千円+点数がなくなった時の罰符として5万円財布から取り出し渡した。
「ほな、俺も今日はこれで帰るわ。」
男たちは土方が帰るのを確認してぼやき始める。
「はぁーあ。結局2回戦だけで60万掻っ攫って行きやがった。本当、上納金が近いあの人と打つときは金がいくつあっても足らねぇよ。」
「しっかしよ。何であの人はあんな伝説を作っておいていまだに末端なんだろうな。多分、麻雀やギャンブルで上納金納めているのはあの人くらいじゃないか。」
「伝説の極道も金作れなきゃ末端と同じってことだな。堅気の俺たちよりもシビアな世界なんじゃないの?」
平和島歓楽街1番通り[有限会社風神会館]
「確かに。よくお前が締め切りまでに持ってこれたな。」
この男は風神会若頭補佐五島組組長の五島和泉。裏カジノや違法賭博などで勢力を上げてき現在は風神会の金勘定を行っている。土方とは犬猿の仲である。
「暴力バカもやればできんじゃねぇか。テメェみたいな暴力バカにはつける薬はねぇからどうしようかと本当に悩みどころだぜ。」
五島は土方の肩にポンと手を乗せるが握る手は常人の域を超えている。
「お悩みさせて申し訳ありませんが自分は五島組の人間ではなく風神会所属の人間です。別に五島の兄貴に心配されるような事ではありません。」
「フン口は達者になってきたな。頭がお前のことを呼んでたぜ。そろそろ頭からも見限られないように気を付けるんだな。」
(成金野郎が調子に乗りやがって。)