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海亀の御宿  作者: kweil
2/2

親不孝

おはようございます、店主さん。



(あの扉を潜ってから2週間程経っただろうか…私はこの「海亀の御宿」と言うところに滞在している。店主は腰の曲がった年老いたお爺さんで小さな丸メガネを掛けている方だ)


(ここは、風呂・トイレ個別で朝昼晩の食事付き。更には無料で居たいだけ滞在してもいいという、なんとも不思議な宿である)


(ただし、対価無しという事ではなく以下のルールがある。


1.この宿では金銭の使用は禁止 持ち込んだ金銭は全て宿側に預ける事。この宿から旅立たれる時に全てお返しします。

2.この宿では無料で宿泊出来る代わりに、店主の出す逸話語りに1日1回参加する事。語りの成功・失敗は不問とする。

3.この宿から外に出られる場合、この宿に再来店は叶わず。


の3つである)




「あぁ、おはようございます。今日はどうなさいますか?」


(部屋でくつろぐか…ゲームに付き合うか)


じゃあ、おはなしをお願いできますか?


「分かりました。では…今回は『親不孝』というお話です。」



___________________________


『親不孝』

俺はある朝、生まれ育った町を捨て、外へ飛び出した。

前々から母さんには「大きくなったら家を出なさい」

と言われ続けていたが、やっと決心がついたからだ。

家を出てから約半年後、俺は母さんに何も言わずに家を出た罪悪感で、また生まれ育ったこの町へ戻ってきてしまった。

俺は最初、母さんに謝ろうと考えていたはずだが、結局今は街で出会った可愛い彼女と新築の家で過ごしている。



___________________________


(私はそこまで親不孝とは思わないけど…)


本当に親不孝ものですね、この男。


「ふふふ、やはりそう思われますかな。

さて、ここからが私の時間です。

この男は一体誰か、そして何故せっかく飛び出した町にまた戻って来たのか。分かりますでしょうか?」


さて、考えなければいけない。




そうこの逸話語りとは水平思考クイズ

所謂「ウミガメのスープ」と言われるものである。

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