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いのちの詩(仮題)

秋景に落葉を思う

作者: 浮き雲

桜の木が多いところで暮らしていると、日々、桜の葉の色づきを、秋の移ろいとして身近に感じます。ただ、そこに重ねてしまったのは、ちょっと、くどい擬人化ですのでご容赦ください。




秋が目覚めてゆく頃は 惑うこころもあるようで


日差しを浴びて、それぞれに 色を重ねるもみじ葉も


風の誘いに乗りかねて


枝去りきれず、いまもまた 身を震わせて、肩よせて


過ぎにし夏を思うよう 乾いた音で忍び泣く




秋が積ってゆく頃は (みな)も優しくなるようで 


春を夢みるもみじ葉の 花にはなれぬ哀しさに 


気ままな風も、いまはまだ 散らすことさえ躊躇(ためら)われ


枝先過ぎる、そのときは 散らさぬように、そろそろと


息をひそめて過ぎてゆく




秋の真中にある頃は こころのうちも落ち着いて


定めのままに、()を離れ 過ぎるばかりの野の風と


いま、ひと時を舞い遊ぶ


螺旋(らせん)()いて、流されて 風の姿を映し出し


なにほどもなく、ありふれた 秋の景色を描きだす




秋が熟していく頃は 人恋しくもあるようで


地に降り積もるもみじ葉の 重なり合って、ひそひそと


内緒話をするような そんな風情が愛しくて


離れ離れにならぬよう 別離の風が吹かぬよう


願い、静かに歩みゆく




桜の紅葉(?)は、緑に黄色の葉が混じり始めるところから始まります。やがて、黄葉が増え、その黄色に赤がグラデーションを重ね、落ちてゆく頃には鮮やかな赤に変わります。落ちて、しばらくは、本当に鮮やかで、よく拾っては、読みかけた本の栞代わりに使っています。

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