表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

黄昏

作者: 瀬川なつこ
掲載日:2020/12/10

黄昏堂、宵闇堂。

狐の遊びは面白かったかい。

十円玉の、こっくりさん。

ほら、貴方の影はもう、薄くなっている。

戻れない。

夕連れ堂、黄昏堂。

お堂の傍で遊ぶと、狐の怪が現れるよ。

十円玉で遊ぶこっくりさんは面白いかい。

子の刻に幽霊列車を見たものは、あの世へ連れてゆかれる。

道端にお地蔵さん、曼殊沙華。

黒マント垢マント。

暗闇に、櫻が咲いている。

黒マントの男が、囁いた。

願い事をかなえてやろう。

その代わり、お前の周りには黒い影がうろつくよ、と。


鴉の七つの子。

可愛い子は、連れていかれる。

片足だけの靴が、雨ざらしに、濡れている軒端。

恋に破れて、泣いているのは、私ですか?

思い出は、懐かしい色を帯びて、記憶の中の街を彷徨います。

懐かしさの果てに…恋花火。

お祭りに行きましたね。

金魚すくい、りんご飴、だけど、貴方は闇の方は危ないと言って、

私の人差し指に赤い糸を巻きつけて放しませんでした。


闇の中の櫻。

息づいておるわ。

縁もたけなわ、小鬼が、閻魔が踊りだす。

屏風の裏では牛魔王が、のっぺらぼうと賭け事をしているよ。

嗚呼、そんな処に隠れていたから、頭に物の怪が沢山…ふうっと風が吹いてきて、黒い闇が抜けてゆく。

山彦が木霊してきて、おーいおーいと、人を喰らおうと呼んでいる。


山怪。

振り袖姿の娘が、八百比丘尼。

人魚の肉を喰らって、長く生き永らえたとさ。

木の亡霊が、山の者にしてしまおうと、袖を引っ張っているよ、

そっちの方にいっては危ない。

此処は宿場町。

街角に、小鬼がいて、綺麗なモノを奪おうと、此方を狙っているよ、蝉の声。

迎え火と送り火、もうそんな季節ですね、

彼岸と此岸の狭間で、夏桜が咲いている。




今日も、昨日の影踏み。

懐かしい想い出の中で、記憶は成熟して夜の夢。

まどろみの中に…

懐かしい、恋しい記憶。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ