卓上流しそうめん機
卓上流しそうめん機
「博士、もう開始しましょうですわ」
両手を腰に当て、イライラした表情をみせるミサキ。片足を上下に動かし、そんなイライラした感情を表現していた。
「まあまあ、まだ三分程度しかたってないじゃないか。もう待ってみよう」
博士は落ち着いた大人の表情をミサキに見せる。
博士がそう呟いたタイミングで、近くにあった自動ドアが左右に機械音をさせながら大きく開いた。
「遅くなりすみません」
「遅刻ですわよ」
「まあまあ、では始めようかのう」
「今回のテーマはこの器具ですか?」
台に置かれていたのは卓上流しそうめん機が置かれていた。
「今回もこれまた独特な形状をしていますね」
「本当におもしろいですわ」
ミサキは流しそうめん機の窪みの淵を触り、そのまま一周のゆっくりとなぞった。
「この窪みは不思議ですわ」
「なんじゃろうかねこの窪み。何かを流し込むような形状をしておるのう。何かをここにいれるのかのう」
「なんだと思います?」
タクミの言葉に気持ちは促され、考えながら博士は両手で腕を組み考え込む。
「中央の部分に突起物がありますね」
そういってその突起物に触れるとその部分が凹む。
「ボタンみたいですね。何かを変化をするのでしょうか」
助手は手を伸ばし中央の部分を握ると、上へと引き上げるとモータ部分が外れた。
「外れました」
外れたモーター部分を裏返し、上下左右色々な角度から何度もも見回した。
「どうですの?」
「横には花が開いてますね。そこから見ると、何らかの動力源を入れる部分と、駆動する部分が確認できます」
「恐らくじゃが、この中央部と容器部分の間には水がじゃな、注がれていたんじゃと思とる。その証拠に横にある穴は水流を起こす排水口なんじゃと思う」
「なるほど」
「それで博士。それでどんな用途なんですの?」
「それでこれはな、正当な使用方法は鑑賞用の装置じゃと思うんじゃ」
「なるほど。博士。それなら確かに水流があるのも納得ですね」
「確かにですわ」
こうして卓上流しそうめん機は、本部にに鑑賞用の水生生物育成用装置として報告されたのだった。