エッグスライサー
エッグスライサー
今日も研究に取り組む3人。
今回の中心にあったのは、エッグスライサーが置いていた。
「今回の対象は珍妙な品ですね」
手袋した両手でミサキはエッグスライサーを持つ。そして、色々な部分に触れてみる。すると、上部が動き外れた。
「あら、外れましたわ」
「この部分が可動するんですね」
タクミはまじまじとエッグスライサーの上部を見つめていた。
「これはなんでしょうね」
「少なくとも何かエネルギーが必要とするモノではないようじゃ」
「ワイヤーがついてますわ」
「博士。このワイヤーがなんの役割を果たすんでしょう?」
じっと見つめる博士。
「このラインが均等なのが気になる。もしかしたら等分に切断する
役割があるのかもしれん」
「博士。それは違いますわ!」
急に割り込んできたミサキ。
「博士。こんなワイヤーに切断するものなんてありませんわ。そう
ではなく、このワイヤーで削るですわ」
「削るって何を?」
「角質や産毛。ようはこの時代の美容器具ですわ」
「どうやって使うんじゃ」
「この外れる上部を肌に接触させ、上下に動かす。すると、不要なものが削れるというものですわ。いまの時代、AI搭載のボックスに入れば、自動的にお手入れをしてくれますけど、この時代は手動ですから。それに使用さていたのですわ」
美容のことに知識を持つミサキがべらべらと話し、その内容に二人は自然と納得してしまう。
「ミサキくんがここまで言うんじゃ。これが正解なんじゃろう」
こうしてエッグスライサーは美容器具として認定された。