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春の妖精

作者: 9741

 春の妖精って、知っているかい? 

 毎年春になると、この国に来て冬眠している花を起こしに来るんだ。 


 起こされた花は、まるで人間が寝起きにグーッと身体を伸ばすように、その美しい花弁を広げる。 

 妖精が来た国は花でいっぱいになる。赤い花、青い花、黄色い花、より取り見取り。 


 でも今年の妖精は困っていた。まだ寝ている、つぼみのままの花がいるのだ。 

 それは花屋にあったレジの机の上に飾られた花。妖精がどんなに語りかけても、その花は、何があっても起きることはなかった。 


 春の妖精、しょんぼりする。 

 そんな妖精を、花屋の主人が心配そうに見る。


「どうして、どうしてこの子は起きないの? もう春が来たんだよ。早く起こさないと、春が終わっちゃうよ」 


 泣きながら焦る妖精に、主人はこう言った。


「ドライフラワーって、知っているかい?」

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