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序章 御希望の条件が一致しました
リハビリを兼ねて試験的に投下。
夢を見る。
なくしたものをもどすゆめ。
それは逃避と人は言う。自分自身も心の何処かで理解ってる。
それでも私は夢を見る。
いつか、いつか、もう一度――――
そのための手段が、嘲笑を誘うような博打だとしても。
私は、絶対、諦めたくない。
だから、だからと、強く願う。
どうにか私の求める力が来て欲しい、と。
夢であれ。
この現実は夢であれ。
覆らない事を願う。現実逃避もしたくなる。
両の手からこぼす程に失った。
仲間も居場所も友人も。
何一つとして残っちゃいない。それでも失くせと声がする。
命を落とせと責め立てる。
身体も精神も悲鳴を上げる。
そうして走り続けるうちに、高い崖から真っ逆さま。
叶うことなら違う世界へ消え去りたい、と。
斯くして世界の壁を越え、互いの願いは結ばれて。
没落した貴族の元お嬢様は、願った力を手に入れるのでした。
世界を救い、世界に疎まれた英雄は、異なる世界へと喚ばれるのでした。
――――『召喚獣』という形で。