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そのはちじゅうろく ~寄道。一方的なデート 3 ~
雑貨や洋服、バスグッズを見て回っていた彼女は、クゥと小さく鳴った自分のお腹を押さえ食事をする予定だった事を思い出した。彼女は駅ビル内にどんな飲食店があるのかと地図を探す。出入り口付近にあった地図と飲食店のパネルを見つめ何を食べようかと思案を始めた。
彼は彼女の隣に立つと同じようにパネルを見つめ、彼女を誘導させるお店を選び始めた。彼女が決めてしまう前に彼が選んだ店へと彼女を誘導する、それは時間との勝負であった。
そして彼が目を付けたのは軽食などを提供しているカフェだった。パネルにはサラダやサンドウィッチがワンプレートに収まっている写真が載せられている。ちなみに、彼女の視線はとんかつ屋の写真に釘付けになっていた。彼は急いで彼女の耳元で『とんかつは止めて、カフェで軽食を食べよう』と囁く。
「とんかつ・・・いや、やっぱりカフェで軽食にしようかなぁ。いっぱい食べられそうな気もするけど、自分で思ってるより入らないもんなぁ。揚げ物はまた今度にしよう」
そして彼女は彼の思惑通りの行動をとるのであった。




