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そのはちじゅうよん ~寄道。一方的なデート 1 ~
彼女は必要最低限の隙間を作ると会社の玄関からするりと外へ身を躍らせる。そしてそんな彼女に着かず離れずの距離でついて行く怪しげな影。彼女が怪我をしないように見守っているようであるが・・・それは立派なストーキングです(良い子の皆さんは真似しないでくださいね♪)。
彼女はそんな影に気付きもせず歩を進める。駅に着くと彼女は一瞬何かを迷う素振りを見せ、普段であれば向かわない場所―――駅ビルの中へ―――と向かった。彼女の後ろにぴったりとくっついている彼は、普段とは違う彼女の行動に驚きながらもその口元に小さな笑みを浮かべた。
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休出で半日潰れたとは言え、仕事じゃなければここら辺にも来ないし・・・折角だから駅ビルの中探検してみようかな。
美味しそうな物があれば食べて行っても良いよね!
うん。何だか気分が上がってきた気がする。折角の休日ですもの、楽しまなくちゃね。
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それが、寄道するに至った彼女の思考であった。勿論、彼には一切伝わっていない筈なのだ。彼は何を想いその口に笑みを浮かべたのだろうか・・・?




