そのはちじゅういち ~彼女が休日出勤に至った訳~
午後の休憩から戻った彼女の目の前に広がっていたのは資料の山に埋もれた自分のデスクであった。それは彼女が休憩に入る前には無かったもの。
「えっ・・・?」
資料の多さに思わず目を見張る彼女。目を逸らしてみたり眉間を揉み解してみたりと資料の山が見間違いである事を期待し抗っている。しかしそんな事をしても山積みになっている資料は消えない訳で。彼女は一瞬意識を飛ばしかけた。いやこれ残業しても今日中に終わんねぇぞ、と・・・
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「ぶ、部長・・・?まさかこれも休み明けの朝一に使う資料ですか!?」
彼女は顔を引き攣らせながら上司に質問した。その上司の答えはYES。彼女を絶望の海に突き落とすには充分過ぎる程の威力だ。
部長曰く、その資料の山は体調不良で急遽休みになった後輩に割り振られていた物らしい。人を頼る事が嫌なのか何でも自分で抱え込んでしまうその後輩は仕事を溜め込んでしまっていたようだ。
「部長。今日の予定に加えてこの資料の山を片付けるとなると、今日も残業してこの山が3分の1から半分程度消化出来れば良い方かと思われます。明日も出るので休日出勤の申請してください。明日も出ないと月曜の朝一には間に合いません」
彼女は目を据わらせて上司に報告したのだった。上司は彼女の言葉を聞き休日出勤の許可を出す。それが彼女の休日出勤が決定した瞬間であった。




