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そのはちじゅう
彼が少々(?)危ない思考の海を漂っている間も、彼女は穏やかな眠りの海で漂っている。彼はそんな彼女の寝顔を見つめて思案を続けるも、今日も答えを出せないでいた―――そして夜は更けていく。
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朝になり鳴り響くアラーム音。そして布団の隙間から飛び出した腕が目覚まし時計を鷲掴みにする。そして間をおかずに壁に投げつけられた目覚まし時計。異様に丈夫な時計が壊れる前に壁に穴が開くんじゃないだろうか?
今朝の彼女は何時にも増して凶悪な顔をしている。理由は・・・アレだ。今日は土曜日なのに休日出勤になったからだろう。彼は凶悪な顔になっている彼女をスマホの中から見つめながら切なげな吐息を漏らす。
「折角の休日でしたのに出勤ですか・・・2人で過ごせる時間が減ってしまいますね。非常に残念です。無理をなさらないでくださいね、お嬢様」
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彼女が休日出勤になった理由。それは遡る事およそ15時間程前(つまり勤務中)の事であった。




