そのななじゅうきゅう
彼女が危惧していた通り、その一週間は連日残業であった。毎朝鳴り響く目覚まし時計を壁に叩き付ける。そのうち時計が壊れるんじゃないだろうか。反面、小さな音量から徐々に大きくなるスマホのアラームを止める際の手つきはとても優しい。(だから彼は彼女しか見えないのかもしれない。いや、例え投げ付けられても彼女の事しか見ないがする。うちの息子変態だからなぁ・・・ By 作者)
残業が終わると寄り道をすることなく真っ直ぐ帰って、浴室へと直行し汗を流すと軽く夕飯を口にする。そして布団へダイブ。連日残業はやはり疲れが溜まるらしい。彼女がスマホの二次元執事に話しかける時間が減っている。そしてその現状を良く思わないモノが・・・安定の彼である。彼は眉を顰めスマホの中から彼女を見上げている。彼女には勿論、そんな彼の姿は見えていない。故に彼が考えている事も知り得ないのだ。
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『仕事』、ね・・・
お嬢様を長時間拘束するものは不要なんですよ。やはり不必要なモノは消してしまいましょうか?
あぁ、それはダメですね。お嬢様の生活基盤になっているのでした。
お嬢様が私のモノになってくだされば総て解決するのですが・・・
今すぐお嬢様を手に入れるにはどうしたら良いのでしょうね?
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なんて、彼が瞳の中に暗い欲望の光をチラつかせながら呟いているなんて彼女は知らないのだ。




