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そのななじゅうなな
週明け早々から残業に追われた彼女。若干ふらついた足取りで駅からアパートに向かっている。何とか無事に部屋の鍵を開け中に滑り込み鍵をかけると、彼女はその場に座り込んだ。そして大きく息を吐き出す。
「はぁぁぁぁぁ・・・」
玄関口とは言え、彼女の溜息を聞く者は近くにおらず彼女は緩慢な動きで靴を脱ぎ部屋へと上がったのであった。
勿論、彼女の溜息を聞いていないのは人間だけであって、『彼』はバッチリ聴いていた。(スマホの電源は入っていなかったはずなのだが、シャットダウンでなければ問題ないらしい。凄いと言うべきなのか気持ち悪いと言うべきなのか・・・By 作者)
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「私がお嬢様を癒して差し上げたい・・・!」
何か言っている。いや、何も聞いていないぞ、私はっ!!
意思疎通の手段が出来てから言いなさい(ボソッ)
あ。やべ。聞こえたっぽい?なんか寒気が・・・
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作者が首を傾げながら後ろを振り向くと笑顔(注:目は笑ってなかった)の彼がそこに居た・・・
その日、息子に捕まった作者が戻ることはなかった・・・




