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そのななじゅうろく
朝になり目覚まし時計のアラームが鳴り響く。直後に響く何かを叩きつける音。
スパァァァァァンッッッ!!!ガスッ!ドォン!!!!
楽しかった休日は終わり、再び仕事に追われる日々が始まった。それを信じたくないのか、いつもより激しく目覚まし時計を壁に叩きつける不機嫌な顔の彼女。しかし、少し間をおいて鳴り出したスマホのアラームを止める際にはその画面を優しく撫でる。落差が激し過ぎるのではないだろうか。
そんな彼女を、彼女には見えないのを良い事に彼はスマホの中から愛おしそうに見つめている。
今日も2人の日常は変わらない。寝起きの悪い彼女は不機嫌な顔で布団から這い出して、会社へ行く準備を始める。そして彼はそんな彼女を見つめて幸せそうなため息を吐く。
「執事君、今朝もありがとね。行ってきます」
なんとか目を覚ました彼女は、スマホの中の二次元執事に声を掛け、出勤していった。
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ちなみに、二次元執事の皮を被った彼は、
「あぁぁぁぁぁ!!今日も素敵ですよお嬢様っ!!!気を付けて行ってらっしゃいませ!!!」
と、身をくねらせながら気持ち悪い反応をしていた。
彼女には見えないから良いものの、うちの息子キモチワルイ。




