そのななじゅうご ~彼女のデート 11(完) ~
布団の中から彼女は眠そうな声で執事君に話しかける。
「今日は楽しかったよ。でも、最後で少し怖かったから早めに寝るよ。怖い思い出だけ忘れるんだ。おやすみなさい、執事君。明日からお仕事だから、アラームよろしくね・・・」
そう言って彼女は眠りの世界へと旅立った。彼女のゆっくりとした深い寝息が部屋に響く中、スマホの画面が光を放つ。光が収まると、彼女の枕元には彼が跪いていた。
「本当は、助けるつもりはなかったんです。お嬢様の友人だけが落ちると思っていましたから・・・お嬢様が助けようとするから・・・貴女が死んでしまうかと思ったから私は・・・」
彼は彼女の頬に掌を添えゆっくりと撫でる。
「貴女が死ねば、貴方の魂は私の手に堕ちてくる。しかし貴女の死も私の手によるものであってほしいと思ったのです。私は貴女だけの魂しか必要ない。だから今日は助けただけです。毎回助ける訳ではありませんからね、お嬢様。どうかご自分を大切になさってください。でなければ私は貴女に何をするかわかりませんよ?」
彼は瞳の中に怪しげな光を湛え、頬に添えていた手を彼女の頤に移動させた。そして掌にゆっくりと力を籠める。彼女の寝顔が苦しそうに歪み、それを見た彼は慌てて手を放した。赤くなりかけている首に唇を寄せ彼は呟いた。
「あぁ・・・どんな貴女も美しいですよ。早く私の元へ来てくださいね、お嬢様・・・」
彼女の額に口付けを一つ落とすと、彼は姿を消した。
大分長く引きずっちゃいましが、これで~彼女のデート~編終了です!
お花見の話なのに5月(初夏)まで書いちゃって申し訳ない!(。-人-。)




