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その執事人外につき  作者: 文月 譲葉
本編

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74/116

そのななじゅうよん ~彼女のデート10 ~

 彼の視線の先。その扉の向こう側で、彼女は『落ちかけた』恐怖を洗い流すように頭から湯を浴びていた。

 彼は彼女がまだ浴室から出そうにないと見当をつけると、彼女が持っていたカバンを探り始めた。


桜の小枝アレ以外に紛れ込んでいませんよね?お嬢様が触れる物に私以外の男が触れた物は必要ありません」


 しばらくの間ガサガサと鞄の中を漁っていた彼。何も紛れ込んでいないのを確認すると満足そうに嗤い姿を消した。そのすぐ後、彼女が浴室から出てきた。目についた鞄が、少し移動しているような気がしたものの荷物の重さでずれたのだろうと、何者かが部屋に居たなどとは思わないのだ。

 彼女は呑気に髪を乾かし、鞄からスマホを取り出す。そしていつものように二次元執事を呼び出した。


「あのね、執事君。今日は久しぶりに親友に会ったんだよ」


 彼女はニコニコと今日の出来事を話しかけながら、桜の小枝を入れた鞄のポケットを探る。


「お花見をしたんだ。そこで会った男の子に桜の小枝貰ったんだよ。・・・あ。どこかに落としちゃったみたい。執事君にも見せようと思ってたのに・・・」


 自分で差し入れた筈の鞄のポケットに桜の小枝がなかった。彼女は残念そうに呟きつつも同時に親友と共に道路から落ちかけたことを思い出し、あの時落としたのかもと考える。自分が落ちなくて良かった、と身を震わせる。


「帰りにね、親友と川に落ちかけちゃったの。風に煽られたんだ。結構な高さがあったから、落ちてたら死んじゃってたかも・・・でもね、誰かに引っ張られた感じがして落ちずに済んだんだぁ」


 欠伸を噛み殺しながら彼女は執事君に話しかける。


「誰が助けてくれたのかはわかんないけど、おかげで今日も執事君とお話しできるね。何もなくてよかったよ」


 彼女はふわりと笑い大きく腕を伸ばした。そして寝室へと向かう。スマホを充電器に差し、布団の中に潜り込んだ。


いつもより長くなったので2話に分けます。

~彼女のデート~編は次話で終了です。

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