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そのななじゅういち ~彼女のデート 7 ~
彼は彼女の友人に影から手を伸ばす。彼女の隣に在るのは自分だけで良い、そんな仄暗い思考が彼を支配する。
そう。邪魔者は要らない。要らないものは消してしまえば良い。少し力を入れて押すだけで邪魔者は居なくなる―――
彼の手が彼女の友人に届く直前、吹き付けてきた強い風に2人はバランスを崩す。その先に道路はない。
「うわっ」
2人の声が重なる。彼女は咄嗟に隣に居る友人に手を伸ばし、友人が落ち無いように強く腕を引く。その反動で自分が落ちそうになるにも拘らず。
だから。だから彼は声無き悲鳴と共に思わず彼女に手を伸ばした。
「(お嬢様っ―――)」




