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そのろくじゅうはち ~彼女のデート 4 ~
遠くで子供を呼ぶ声が響く。
「あ!おかあさんがよんでる!ぼくもうかえるね!!またね、おねえちゃん」
にこにことお互いを見つめていた彼女達であったが、子供は自分を呼ぶ母の声に気付くと、彼女に手を振りながら走り去って行った。
「気を付けてね、お花ありがとう」
彼女は立ち上がり、子供に手を振って見送った。
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子供が彼女の元から去ると、彼の纏っていた殺気が冷気に変わった。
わかりやすっ!!・・・いえ。正直なのは良い事です。うん。でもね、まだ小さな子供にまで敵愾心を持たなくても良いんじゃないかな~とおかーさんは思うのです。だってね。考えてみ?10歳にもなってない男の子だよ?そして君の愛しの彼女は20歳超えてるの。ごくごく普通の一般人なの。ショタコンじゃないのよ!?
若干死んだ目をした作者が息子に語りかけている姿が、桜の咲き乱れる公園内でしばし見受けられたらしい。ちなみに、彼がそんな言葉に耳を貸す訳もなく、作者の言葉は虚しく虚空に溶けていった。




