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そのろくじゅういち ~彼女の休日 4 ~
冷えた手でマグカップを包み込む彼女。彼はそんな彼女の前に跪き、冷たくなった彼女の手を自分の手でそっと包む。
『あぁ。こんなに冷やして・・・』
彼の顔が、今にも泣きそうなくらいに歪む。その吐息で、少しでも冷たくなった手を温めようとする。
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そして、それは一瞬の出来事だった。
揺らめく湯気の向こうに、彼女は人影を見た。マグカップを持つ自分の手を、その大きな掌で包み込み吐息で温めようとする人影を。
「ぇ・・・?」
驚きで、微かな声を吐き出した。しかし、本当にそれは一瞬の出来事で、彼女が瞬きをすると人影は幻であったかのように消えてしまった。
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以前助けてくれた『彼』によく似たヒトだった。一瞬だけ視えたあのヒトは、一体誰だったのかしら・・・?
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次話に続きます。
ごめんなさい、終わらなかった。




