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そのさんじゅうろく
所変わって、家族と別れた彼女はと言うと。案の定駅の中で迷子になっていた。
「なんでこんなにホームが沢山あるのよ・・・」
泣きそうな顔で彼女は小さく呟く。きょろきょろと辺りを見回し、駅員を見つけると小走りに近づく。そして、切符を見せながら道を訊ねた。
「すみません。何処に行けばこれに乗れますか?」
「このまま真っ直ぐ行って、つきあたりを右に行けば直ぐにホームに着きますよ」
駅員は親切に身振り付きでレクチャーしてくれる(だがしかし。それが仕事である)。彼女はほっとした顔になると駅員に礼を言い教えてもらった通りにホームへと向かった。
彼女がホームに着くそのタイミングで新幹線が滑り込んできた。彼女は無事に席を確保すると妹にメールを打つ。
『無事乗れた。席も確保。後は寝て待つだけ!また連絡します』
「お。お姉ちゃん無事に乗れたってー」
妹の言葉に、家族からは安堵の溜息が漏れたとか漏れなかったとか。




