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そのさんじゅうよん
二人は駅の中を進み、車に向かう。車の中では彼女の父親が運転席に、兄と妹が後部座席に座って二人を待っていた。
彼女は家族に向かって笑顔を向ける。
「お待たせ!」
「久し振りだな。元気にしていたか?」
「元気そうだな。どうせここに来るまでに迷子になったんじゃないのか?無事に着いて良かったな!」
「お兄ちゃんっ!迷子になってこそのお姉ちゃんなんだからそんなこと言わないのっ!お姉ちゃん、元気にしてた?」
父は純粋に再会を喜び、兄は久々に会う彼女にからかいを含む言葉を投げかける。妹はその兄の言葉に対して彼女を擁護する言葉を発する。まぁ、結局は擁護しきれていないのであるが。
彼女はそんな何気ない会話が嬉しくて、笑いながら答える。
「元気に過ごしてたよ。お父さん達は?あ、お兄ちゃん。ちょーっと迷子になりかけたけど、大丈夫だったからね!」
「あははははっ!やっぱり迷子になったか!」
そう兄は笑う。
「!なりかけただけで実際はなってないからね!?」
彼女が必死で言い訳をすればするほど、車内には笑いが溢れるのであった。




