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そのさんじゅう
まだ暗いうちにアパートを出たにも関わらず、彼女が駅に着く頃には東の空は白んでいた。世界は眠りから微睡みへ、そして目覚めへと向かう。
彼女が無事に駅に辿り着いたのを見届けると、つかず離れずの距離でストーk・・・(じゃなかった)見守っていた彼は、安心してその姿を消した。
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え?何処に行ったのかって?そりゃ勿論彼女のスマホの中(?)に戻ったんですよ!だって人外だもの!!存在そのものが「ふぁんたじー」なんだから悟られずにストーカーして姿消すぐらいできるんだよ!(えっへん←!?)
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彼女は事前に旅行代理店で購入していた切符を改札機に通し、ホームへと向かう。絶えず襲ってきていた睡魔はピークを過ぎ、眠い、と言うよりは頭痛や吐き気といった感覚に切り替わりつつあった。彼女は列に並びながら、眉間に寄りそうになる皺を指で伸ばす。
やがて、長くは待たずしてホームに新幹線が滑り込み、彼女は購入しておいた指定席へと向かった。




