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そのにじゅうきゅう
一睡もしていないせいで視界が霞む中、彼女は目を擦りながらも駅へと向かう。いくら駅に近い場所に住んでいるとはいえ、彼女の歩幅では駅に着くには徒歩で15分はかかってしまう。今はまだ太陽も顔を出していない早朝。辺りはまだ暗い訳で。彼女は独り暗い道を駅へと進む。
そんな彼女を、陰からこっそりと見守る影があった。
「・・・お嬢様・・・」
そんな呟きを漏らす人影。そう。彼である。
何と言うか・・・乾いた笑いしか出てこないのは何故だろう。
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・・・。安定の彼女至上主義なんですね。
うん。わかってたよ。彼女が独りで徒歩移動だなんて心配なんだよね。
だからそんなストーカー紛いな事してるんだよね?
おかーさん、君をそんな子に育てた覚えはないよ・・・
でも、それをしたくなる気持ちは否定できないかもしれない。
彼女、時々酷く抜けてるもんね・・・
と、とりあえず!
通報されたり、捕まったりしないようにね?
おかーさんは迎えに行けないんだからね?!
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その世界の外側で、ぶつぶつと呟く作者が居たとか居なかったとか。。。
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